2019年6月18日(火)

キリン、ネットで「カンパイ会議」 理想のビール求む

2013/12/15 7:00
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 キリンビールは8月、インターネット上で理想のビールを若者らと議論するファンサイト「キリンビール カンパイ会議」を立ち上げた。アルコール好きな20~30代に自由に発言してもらい、ビールの面白さを感じてもらうとともに、集約した情報をもとにキリンの横浜工場(横浜市)でビールの新商品開発に生かす取り組みもスタートした。若者のアルコールに関する嗜好を吸い上げながら、消費者ニーズに即応した商品の発売につなげる狙いだ。

カンパイ会議に登録していた30人が、実際に対面してビール開発に向けて語り合った

カンパイ会議に登録していた30人が、実際に対面してビール開発に向けて語り合った

「クリスマスパーティーに飲みたいお酒を教えてください!」「一番好きなキリンのキャンペーンを教えてください!」。サイト上にはこうしたキリンからの「お題」が並ぶ。テーマごとにサイト登録者が自分の意見を次々と書き込んでいくスレッド方式を採用。登録者の投稿や発言を促すため「コラボ」と名付けたポイント制度を導入し、一定数に達せば「ラガー」などの商品ロゴが入ったスタンプがもらえる特典もつけた。

キリンは投稿された情報をもとにまず20~34歳の神奈川県出身・在住者を対象に、新しいビールを開発するための「はまっ子のためのビールづくり企画」を始めた。参加した約200人は自分好みのビールの香りや色、味について意見を交換したという。

その中から参加意欲の高い30人を選び10月と11月、実際に対面するイベントを仕掛けた。この30人は横浜工場で製造したビールなどを試飲した。12月中旬以降にはこれまでに集まったアイデアをもとに改良したビールを醸造する。来年3月中旬にはカンパイ会議で発案されたアイデアにもとづく第1号ビールが出来上がる予定で、同工場の敷地内にあるレストランで提供されるという。

カンパイ会議の会員数は約1000人。キリンは2年後をめどに10万人に増やす目標を掲げる。現状は既存ファンの深掘りにとどまっているため、酒類にあまりなじみがない人たちにも積極的にサイトに参加してもらい、若者の声を日常的に集める考えだ。「参加者を増やしてアンケートも実施し、より正確なデータが取れるようなサイトに育成したい」と、Web推進担当の小川直樹さんは話す。

サッポロビールもSNS(交流サイト)をビールの商品開発に生かす取り組みを進めている。これまでのようなビールメーカー主導の開発手法に、消費者の意見が色濃く反映されるようになれば、伸び悩むビール消費拡大のひとつのきっかけがつかめるかもしれない。

(出口広元)

[日経MJ2013年12月13日付]

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