2019年3月19日(火)

砂漠が農場になる パナソニック・京大が「夢の砂」
水はじき保水層形成、16年度実用化

(1/3ページ)
2013/12/7 7:00
保存
共有
印刷
その他

農業の可能性を広げる技術革新が着々と進んでいる。人工衛星、ロボット、IT(情報技術)などを駆使し、新たな生産手法を生み出したり効率を上げたりして競争力を高める試みだ。安倍晋三政権が生産調整(減反)の廃止方針を正式決定するなど国内農家の大規模化に向け農業政策の見直しが進むなか、未来志向の農業を目指す動きが始まっている。

■海水の塩害防ぐ

砂漠で農業を――。パナソニックは独自開発した「水をはじく砂」を使い、京都大学と共同で研究を進めている。目指すのは2016年度の実用化だ。

砂粒の表面を撥水(はっすい)性の物質でコーティングし、層にすれば水をほぼ通さない。一定の面積を掘って撥水する砂を流し込み、地中に層をつくる。さらにその上に土を盛れば、水分が撥水する砂の層に浸透せずたまり、「地下ダム」ができあがる。

海水による塩害の予防にも有効だ。海沿いの地中に撥水層を形成すれば、理論上、海水は陸地に浸透してこない。いわば、空気やガスは通すが水分は通さないプール。農場にポンプを設置すれば、水を循環させることもできる。

なぜ砂なのか。いや、そもそもなぜパナソニックが農業なのか。

始まりは、電子レンジやIHクッキングヒーターなどの内側に汚れが付きにくいように施す撥水膜の技術だ。1990年前後、同社は様々な素材に撥水性の材料を薄く吸着する技術を開発。家電製品への導入を進めた。

加工する表面で多かったのがガラス。撥水性材料をガラス原料であるシリカと化学結合させ、薄さ数ナノ(ナノは10億分の1)メートルのはがれにくい膜を形成するのが同社の得意技だ。この技術を他分野でも使えないか、応用に知恵を絞った。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報