日本版IFRS、具体案の議論へ
企業会計基準委員会は21日、作業部会を開いて国際会計基準(IFRS)を一部修正して作成する日本版IFRSについて、個別の会計基準についての検討を始めた。両基準間で差異のある会計処理のうち、のれんの償却方法や開発費の資産計上、投資有価証券の売却損益を純損益に含めるリサイクルなどが課題となる。1年後をめどに日本版IFRSをまとめる。
固定資産の会計処理において、評価方法はIFRSにおいても日本が採用している原価モデルが選択可能なことや、減損損失の戻し入れは日本では限定的と考えられることなどから修正の必要はないと判断した。また、判断が難しい会計基準については教育文書を作成することも検討する。
日本版IFRSでは修正する会計基準が多くなると世界の投資家などからIFRSとして認められない可能性があるため、修正する項目は限定的になるとみられる。
金融庁は今年6月、IFRSの普及を進めるため、一部を修正する日本版IFRSを作成することを決めた。日本があるべきIFRSを示す目的もある。