ワンマン経営、統制失う 雪国まいたけ・大平社長辞任へ

2013/11/7付
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雪国まいたけの大平喜信社長が、会社の不適切な会計処理の責任を取って辞任を表明した。創業者である大平社長は同社を上場企業に育て上げた立役者。その一方で、同社長の「強すぎるリーダーシップ」が同社の内部統制を失わせ、社長の意をくむ形で費用の先送りなどの不適切な処理が長年続いていた実態が、社内調査で明らかになった。

公認会計士や弁護士などを含めた社内調査委員会の報告書によると、不適切な会計処理の影響は1999年3月期まで遡り、連結貸借対照表に与える影響額は累計で13億8400万円に及ぶ。滋賀県の土地開発に関する支出7億1600万円、東京都新宿区のビルなど固定資産の減損4億7000万円などが対象。

これにともない2012年3月期の配当可能剰余金がゼロとなり、同期の株主配当金1億3300万円は全額違法配当の可能性がある。

問題の原因について調査委員会は「経営者の強すぎたリーダーシップによる暗黙の重圧」によって、役員や担当者が業績に与える影響を回避したものだと指摘。担当者が「経営トップの意向を忖度(そんたく)し、無理にでもそれにこたえようとした」と見ている。

創業者として約30年にわたり経営トップにいた大平社長に対し、役員をはじめ部下がものを言えなくなっていた様子がうかがえる。

内部統制も効いていなかった。経営幹部が頻繁に退職し、職務権限も曖昧だったうえ、幹部社員の順法意識やリスク管理意識も希薄となっていた。業務プロセスも担当者任せで上司による確認が行われず、不適切な会計処理を見落としていたという。監査役会は12年4月に不適切な処理を指摘していたが、その所見は反映されることはなかった。

脱サラし6畳一間から事業を興した大平社長。同社を大きくしたリーダーシップがかえって足を引っ張り、自らの辞任を招いた。

だがワンマン経営が続いていた同社には「新しい社長候補がなかなか見あたらない」(同社幹部)のが現状。不祥事への処分を行い、どう新たな出直しを図るのか。組織としての底力が問われるのはこれからだ。(水口博毅)

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