アプリ作成、6時間で「名人」? 素人向け講座が人気
(ネット巧者たち)
エンジニアではない人を対象にしたプログラミング教育を手掛ける「テックアカデミー」が、企業の注目を集めている。インターネットの仕組みを学びたい人向けで、受講者は営業員や人事担当者、経営者など多岐にわたる。講座内容はプログラミングやウェブデザインなどで、社員研修にも人気がある。

「ウェブサービスの営業をしているが、プログラミングなど仕組みがわからない」と不安を抱くビジネスパーソンは意外と多い。ネットが企業に浸透して久しいが、エンジニア採用者でもなければプログラミング教育を受ける機会はほとんどない。
キラメックスの村田雅行社長(30)は「教養としてのIT教育を受けられる環境が必要」と痛感。2012年にフェイスブックで6時間1万6800円の基礎から学べるプログラミング講座を告知したところ、200人の受講があった。「需要がある」とみて同年11月にテックアカデミーを立ち上げた。

村田氏は大学卒業後、楽天に入社。サーバーの構築に携わるエンジニア教育を受けた。こうした経験を生かしながら、新しいネットサービスづくりを推し進める。
これまでにプログラミングやウェブデザイン、フォトショップなど初心者が学べる講座を開設。料金は6時間2万1000円で1クラス20人。20代後半から40代の社会人を中心に約1300人が受講した。半数は企業研修による受講という。受講したある経営者は「エンジニアの抱える案件の難易度や仕事量が理解できるようになった」という。
「ITスキルは今の時代誰にとっても必要。最初の一歩としての経験を与えたい」(村田氏)。初心者だけでなく中級以上のレベルにも対応するため10月からは個人指導も開始した。わからない時に手助けできる存在になることを目指すという。今後は講義のオンライン化を検討するなど、日本のITスキルの底上げに奮闘している。
[日経MJ2013年11月1日付]