三菱重工などと原発受注で合意 トルコ政府
【イスタンブール=地曳航也】安倍晋三首相は29日夜(日本時間30日未明)、トルコのイスタンブールでエルドアン首相と会談し、技術者育成など原子力協力に関する共同宣言に署名する。これに先立ち、トルコ政府は29日、三菱重工業など企業連合と黒海沿岸シノプでの原子力発電所の建設の受注で正式合意した。
両首脳は5月の会談時にトルコが原発建設で日本に優先交渉権を与えることで合意。三菱重―アレバ連合の受注が事実上確定していたが、今回の正式合意で日本の原発輸出に弾みが付きそうだ。
共同宣言では、科学技術の包括連携も打ち出す。トルコに共同で原子力工学などの研究者や技術者を育成する科学技術大学を設立するため、検討委員会の早期立ち上げも盛り込む。
首脳会談では、経済連携協定(EPA)の交渉開始に向け協議を加速する方針も確認。シリア難民の人道支援での連携も申し合わせ、経済・安全保障で幅広い協力関係を築く方向で一致する。
両首相は5月の会談で両国関係を「戦略的パートナーシップ」と位置付ける共同宣言に署名。(1)インフラ整備や医療、農業、人工衛星打ち上げの協力(2)次官級の枠組みを格上げし、外相の定期協議を開催(3)防衛当局間の協議を促進――などを盛り込んだ。今回の会談では共同宣言に基づく協力を進める方針を確認。安倍首相はエルドアン氏に早期訪日を要請する。
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