2019年7月21日(日)

無線LANで繁盛店作り NTTが街おこしに挑戦

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2013/10/31 7:00
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人が集まる観光地や商店街に公衆無線LAN(構内情報通信網)を張り巡らし、地域おこしをめざす取り組みが各地で活発になっている。仕掛けているのはNTT東西地域会社だ。スマートフォン(スマホ)を持ち歩く観光客や買い物客らにインターネットへの接続サービスを提供。同時にサービスの利用者に近場の店舗情報などを配信して集客を促す。地域活性化のためのローカルな広告手段として公衆無線LANを活用する試みだ。

■お得情報が勝手に"飛んでくる"広島市

中国地方各地や四国からも買い物客が訪れる広島本通商店街(広島市)

中国地方各地や四国からも買い物客が訪れる広島本通商店街(広島市)

広島市中心部の広島本通商店街。今年4月から、商店街の店主のほかデパートなど大型店も加盟する広島市中央部商店街振興組合連合会(中振連)とNTT西日本などが進める地域おこしの共同トライアルの舞台になった。専用アプリを入れたスマホを持ってアーケード街に入ると、公衆無線LANに無料で自動接続する。

通り沿いには「アクセスポイント」と呼ぶ無線LAN用の通信装置が数十個取り付けてある。商店街の限られた場所というわけではなく、通り全体をくまなくカバーしてネット接続の快適性を高めた。

だが、無料で無線LANが使える商店街というだけでは魅力はいまひとつ。そこで専用アプリ(応用ソフト)にはネット接続機能に加え、利用者の気分に合ったお薦めの飲食店を紹介する機能や、飲食店が随時発信するお得情報を見られる機能を盛り込んだ。お昼時と夕方の毎日2回、商店街の中または近場にいる利用者に限って店舗情報なども届ける。近場にいるからこそ価値を感じてもらえるサービスとして訴求する。

「(地理的な範囲が)狭い代わりにディープな情報を提供したい」(中国四国博報堂の北野尚人執行役員)。トライアル関係者はこう語り、「ぐるなび」や「ホットペッパーグルメ」など全国区の情報サービスとの違いを強調する。アプリの中で街の案内役として登場するのが、赤一色の衣装を身にまとったコイのキャラクター「まちのコイシェルジュ」。NTT西日本などはキャラクターをあしらったステッカーやビラを配布し、サービスの売り込みに懸命だ。

NTT西日本が商店街に設置した公衆無線LANのアクセスポイント(柱上部の箱状の機器)

NTT西日本が商店街に設置した公衆無線LANのアクセスポイント(柱上部の箱状の機器)

広島市内の商店街は中国地方で屈指の規模だが、郊外店の台頭で地元のファミリー層は離れてしまった。商店街は地元の若者や熟年層に加え、ほかの地域からやってくる買い物客や観光客も呼び寄せる必要がある。中振連の若狭利康専務理事は「たまに来る人への情報発信が重要だ。商店街を回遊してもらうためのツールとして公衆無線LANやアプリを活用したい」と力を込める。

ネットで商品やサービスに興味を持った人を現実の店舗に誘導する集客手法は「O2O(オンライン・ツー・オフライン)」と呼ばれる。大手スーパーやコンビニエンスストアなどが積極的に取り入れており、地域経済の活性化にも役立てようというのが今回の共同トライアルだ。

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