石油危機40年 中東依存に逆戻り アジア、需要増大止まらず

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2013/10/13 7:00
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世界経済を混乱に陥れた第1次石油危機から今月で40年。米国を起点とするシェール革命が、それ以来の衝撃で世界のエネルギー地図を塗り替えつつある。大生産国としての米国の台頭は、石油の将来をどう変えるのか。中国やインドなど新興国の増大する需要を誰が満たすのか。日本企業も変革のうねりから逃れるわけにはいかない。

■「米国は4、5年のうちにサウジ抜く」

「こんな経験、一生に一度だと思うよ」。米ノースダコタ州ウィリストン。市の経済開発局に勤めるショーン・ウェンコ氏は目を輝かせる。

この地域に広がる頁岩(けつがん=シェール)層から原油を効率よく生産できるようになり、ほんの数年前まで過疎化に悩んでいた町は突如、全米が注目する「ブームタウン」に変わった。石油産業が大挙して押し寄せた結果、人口は2年間で2.2倍の3万8000人に急増した。

国際エネルギー機関(IEA)のチーフエコノミスト、ファティ・ビロル氏はシェールオイルやシェールガスの生産拡大で「米国は4、5年のうちにサウジアラビアを抜き、世界最大の原油生産国になる」と語る。

米フォード・モーターのピックアップトラック「F-150」。「ガソリンがぶ飲み」と呼ばれ、6~7年前にはガソリン高の逆風を受けてビッグスリー衰退の代名詞にもなった存在が、今やフォードの米販売の3分の1を占める。ジョー・ヒンリシュ上級副社長は「米国民のエネルギーへの楽観論が追い風になっている」と証言する。

■シェール革命で浮上するシナリオ

帝京平成大学の須藤繁教授は「シェール革命により、エネルギー供給の中心は中東から米州へ移り、"石油の時代"は考えられていた以上に続く」と指摘する。IEAによると世界の1次エネルギーに占める比率は2010年で石油が32%、天然ガスが22%。35年には各27%、24%と差は縮むが依然、石油が上回る。

世界経済の成長を支えてきた原油は、産出地が集中する中東の政治的不安定に絶えず揺さぶられてきた。シェール革命はこの不安から世界を解放するのか――。実はアジアには中東への依存度が増す、逆のシナリオが待っている。

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