2019年1月22日(火)

近未来の気候変動予測、「地域別」に期待する産業界
編集委員 安藤淳

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2013/10/5 7:00
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国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1作業部会が第5次報告書をまとめた。21世紀末の気温や海面上昇の予測を4通りの新しいシナリオで計算。30年程度の「近未来」の予測も初めて載せた。ただ、産業界に関心の高い地域別の細かい気候変化との関連は分析しきれておらず、今後の研究課題だ。

■4通りのシナリオを想定

IPCC第1作業部会報告書のシナリオ
名称CO2
排出量
2081~100年の
気温上昇(℃)
同海面
水位上昇(m)
RCP2.6
(低位安定化)
今後減少0.3~1.7(1.0)
0.26~0.55(0.4)
RCP4.5
(中位安定化)
40~50年頃ピーク、その後減少1.1~2.6(1.8)
0.32~0.63(0.47)
RCP6.0
(高位安定化)
70~80年頃ピーク、その後減少1.4~3.1(2.2)
0.33~0.63(0.48)
RCP8.5
(高位参照)
上昇が続く2.6~4.8(3.7)
0.45~0.82(0.63)

(注)RCPは放射強制力の大きさ。気温、海面水位上昇のカッコ内は平均

新報告書は人間活動や太陽活動の変化などで地球が受けた余分なエネルギー、「放射強制力」を4通り仮定。1986~2005年を基準にした81~100年の気温や海面の上昇を予測した。

放射強制力という科学的な条件のみで計算したのが特徴。省エネや新エネ利用の進み具合、社会経済システムや政策の変化を想定してシナリオを作った従来方式と発想が異なる。

「2100年の状態を明記する一方で、そこへ至る政策は規定していないので自由度が大きい」と経済産業省は歓迎する。気温上昇を抑える緩和策、気温が大きく上昇した場合の適応策は、それぞれIPCCの第2、第3作業部会が来春まとめる。

放射強制力が最大のシナリオでは温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)の排出量が100年以降も増え続ける。最小のシナリオは現在が排出量のピークで今後は減る。残りは40~50年頃まで増えたあと減少に転じる場合と、70~80年頃を境に減るケースの2つだ。

IPCCは21世紀末までの世界平均気温の上昇を2度以内に抑えれば、気候や生態系への影響を最小限にできるとしている。対応するのは4つのうち排出量が最小のシナリオだが、排出量が40~50年頃にピークとなるシナリオでも実現の可能性はあるという。

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