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配合飼料1年半ぶり下げ、10~12月価格 農家向け3%前後

家畜の餌に使う配合飼料の10~12月期の農家向け販売価格が1年半ぶりに下がることになった。全国農業協同組合連合会(全農)などは20日、7~9月期と比べ3%前後値下げすると発表した。主原料のトウモロコシの国際価格が米国の豊作見通しで下落したためだ。ただ配合飼料は依然として高値圏にあり、上昇傾向にある食肉価格などに影響するかは不透明だ。

値下げ幅は最大手の全農が1トン当たり2750円、日清丸紅飼料が1420円、中部飼料が1680円など。大手飼料各社の10~12月期の推定販売価格は7~9月期比2000円(3%)安の1トン6万5900円(全畜種平均、運賃別)になる見込み。前年同期比ではなお4%高い。

配合飼料の値下がりは2012年1~3月期以来。同期から13年7~9月期までの上げ幅は、昨年の米国の干ばつによる穀物高騰や為替の円安を背景に2割に達した。

10~12月期の配合飼料の原料コストは7~9月期の穀物相場や為替が基準となる。主原料のトウモロコシの国際価格はシカゴ先物(期近)が7月下旬以降おおむね1ブッシェル5ドル割れで推移。6.5ドル前後だった4~6月期と比べると大幅に下げた。

副原料の脱脂大豆(大豆ミール)は8月上旬までは下落基調だったが、米国で大豆の作柄悪化懸念が出た中旬以降反発した。配合飼料の値下げ幅に差が出た理由については「大豆ミールの買い付け時期の違いによるところが大きい」(大手の原料調達担当者)。

飼料代は畜産農家の経営コストの4~6割を占める。7~9月期は国が緊急支援策として予算措置を講じたため使用量1トン当たり5050円の補填金が農家に支払われる見込み。10~12月期の補填は飼料業界の基金からの同700円にとどまる見通し。

高知県四万十町で約3500頭の豚を飼育する渡辺畜産の渡辺典勝社長は「1~3月期以降も下落が続けば、経営的にはプラスになるので期待したい」と話す。

鶏肉生産者などでつくる日本食鳥協会(東京・千代田)は、「飼料価格は極端な高値からやや下がっただけで厳しい状況は変わらない。秋に向けて需要が増えることもあり、飼料価格の下落が鶏肉卸値の下げ要因になることはなさそうだ」と指摘する。

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