2019年2月19日(火)

呉市に拠点の寿工業、地域機構が支援 雇用・取引先は維持

2013/9/14付
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地域経済活性化支援機構は13日、経営難に陥っていた呉市に主要拠点を持つ特殊鋼メーカー、寿工業(東京・新宿)への再生支援を決めたと発表した。外部企業の支援は仰がず、機構の下で債務整理を進めて自主再建を目指す。グループの雇用約400人と下請け企業約200社との取引関係は当面維持する方向。不透明だった同社グループの再建に道筋が付き、地元経済の活性化にもつながりそうだ。

同機構は日本航空などの再建を支援した旧企業再生支援機構を改組して3月に発足。全国各地の中小企業の事業再生支援を手掛ける。

再生計画では、事業を引き継ぐ新会社を設立したうえで2014年2月に機構が5億円を出資する。広島銀行やもみじ銀行など寿工業の債権者が出資比率2割を限度に債権を株式に交換して資本参加することも検討中。事業移管後の旧会社は金融機関の債権放棄や不要な資産の売却などを通じて債務整理を進め、数年以内に特別清算する。

新会社は寿工業の社名を引き継ぎ、主力の特殊鋼や造船向け部材事業を継続する。造船業界だけでなく鉱山機械や建設機械向け部品、製鉄・医薬など幅広い業界向けに生産設備の生産・販売も強化していく考えだ。

新会社は木村通正社長が続投する方向だが、取締役の過半数を機構から派遣する。現在8人いる取締役の一部は執行役員として引き続き各事業の指揮を執る。機構の担当者は「(経営悪化を招いた)投資を決断した代表者は辞任しており、経営責任は果たされている」との認識を示した。

寿工業は子会社と北九州で手掛けた設備投資に失敗。巨額の負債を抱え金融機関が債務整理を進めた。現在の債務超過額は300億円規模とみられる。

広島銀やもみじ銀など主要債権者は債権放棄に応じる見通し。各銀行は引き当て処理などを終え、新たな損失が発生する可能性は低い。ただ、債権者が多く、機構をとりまとめ役として早期の債務整理を目指す。

寿工業の北九州事業を除いた12年11月期の売上高は157億円、経常利益は3億2000万円。ニッチな事業分野で付加価値の高い製品群をそろえており、13年度も黒字を確保する見通し。主要事業は堅調なことから、機構や金融機関は自主再建が可能と判断した。

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