食品大手、新興国で稼ぐ収益構造鮮明に 14年3月期営業益

2013/8/27付
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食品会社が新興国で稼ぐ収益構造が鮮明になっている。ヤクルト本社は中国などが好調で、2014年3月期に営業利益に占める海外の比率が53%と、初めて海外が国内を上回る見通し。キッコーマンや味の素もさらに比率が上がる。足元は新興国の成長鈍化が懸念されているが、人口増や所得水準向上を追い風に、各社とも現地にあわせた商品戦略を展開。円安効果もあり、今期業績の上振れ要因になりそうだ。

ヤクルトの海外比率はアジアがけん引し、前期から4ポイント増の53%となる見込み。連結調整前で国内の210億円に対して海外は240億円と逆転する。インドネシアでは現地女性を活用した訪問販売員「ヤクルトレディ」による営業を展開。12年の同国での乳酸菌飲料「ヤクルト」販売量は前の年から22%増えた。

中国も量販店ルートでの販売が好調。店頭で健康効果を説明する販促活動を展開し、知名度が向上している。販売地域も沿岸部から四川省・成都市などの内陸部の都市に拡大している。

キッコーマンの海外比率は65%から71%に拡大する見通し。利益ベースでは2割増の156億円弱になる。主力の米国が好調なほか、ロシアなど東欧で伸びている。ロシアでは日本料理の人気が高く、一般市民の食卓にもしょうゆが浸透しつつある。現地に合わせた調理法提案などで需要を喚起し、消費者の裾野が広がっている。

味の素は7ポイント増の59%となる見通し。タイなど東南アジアや南米で、各国の食習慣や消費事情にあわせて開発した調味料が好調だ。

各社の海外利益は為替相場次第でさらに上振れする可能性がある。キッコーマンの通期予想に対する13年4~6月期の進捗率は29%。為替の想定を1ドル=90円としており、現在の98円前後の水準が続けば収益が押し上げられる。味の素も同90円を想定しており、業績上振れ要因になる可能性がある。

中期的にも新興国での拡大基調は続きそう。味の素は7月にタイで缶コーヒーとうま味調味料の新工場を稼働させた。今後はタイを拠点にミャンマーなど周辺国の需要も開拓し、20年までに東南アジアでの売上高を3000億円へ倍増させる。ヤクルトは14年には天津工場(天津市)で約70億円を投じてヤクルトの生産能力を倍増する。広東省にも新工場を設ける予定だ。

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