ふりかけ、東南アに売り込み 発祥地・熊本の官民で協議会
ふりかけを東南アジアに売り込もうという取り組みが、ふりかけ発祥の地の熊本県で始まった。地元企業や金融機関、行政などが「国際ふりかけ協議会」を今月設立、タイなどに売り込みを開始した。日本と同じ米飯中心の東南アジアで学校給食などを通じてふりかけを紹介。販路拡大とともに地域活性化と熊本の海外での知名度向上につなげたい考えだ。
協議会は県内の食品メーカーや農業生産者、金融機関、熊本県など約20者が参加して設立。まず今月からタイで百貨店や見本市などに出展するほか、学校給食にふりかけを取り入れてもらうよう同国政府に働きかける。ベトナムやミャンマーなど周辺諸国への普及活動にも同様に取り組む。
東南アジアは米飯中心で食文化に共通点の多いうえ、タイと周辺諸国を合わせた人口も2億人を超える。タイでオニギリがブームになるなど日本食への関心も高まってことに加え、生鮮品とは異なり保存や輸送が容易なことも有利だ。
イベントなどの企画会社であるフラッグス(熊本市、松江慎太郎社長)などが5月に熊本市で「ふりかけグランプリ」を開催。優勝した通宝海苔(熊本市)の「海苔職人の百年ふりかけ 納豆」などをタイの見本市で紹介したところ好評だったことから、協議会を設立して売り込みを始める。ふりかけを足掛かりに、九州の様々な日本食などを紹介していく考えだ。
ふりかけは大正初期に熊本市在住の薬剤師が考案した。現在もフタバ(熊本市)が販売している「御飯の友」が元祖と業界団体が認定し、首都圏でも販売し人気がある。当初はカルシウム不足を補う栄養食品として考案された経緯がある。