2019年7月20日(土)

水素が変える日本の電力 発電の代替・補完も視野
日本総合研究所理事 足達英一郎

(2/2ページ)
2013/7/31 7:00
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これまで困難だとされてきた水素を取り出す脱水素反応を安定的に行うプロセスを、大手プラントメーカーが新しく開発した触媒によって可能にし、5月には水素格納・還元実証プラントで所期の性能を確認することができたと発表した。

■都市ガス混合や天然ガス混焼が本命

先月には川崎市が、このメーカーと「水素社会の実現に向けた連携・協力に関する包括協定」を締結。「世界初となる水素ネットワークの確立と商用水素発電所の整備を支援するため、現行制度における規制緩和や手続きの迅速化等について国等関係機関との協議調整を行うとともに、関係機関や立地企業等と連携し安全なネットワークづくりに取り組むなど、早期の事業実現をサポートする」との姿勢を明らかにした。

この構想では、将来的に水素生産地で二酸化炭素回収貯留(CCS)を実現したり、再生可能エネルギーによる水電解で水素を生産したりすることを目指す。「輸入水素」の用途も、燃料電池発電だけでなく、都市ガス混合や火力発電所での天然ガス混焼が本命としている。

もちろん、今後、政策的にこうした構想を後押ししていくか否かの判断のためには、(1)エネルギー効率(2)コスト(3)二酸化炭素削減効果――の3つの観点から他技術との比較・検討が客観的になされなければならない。ただ、水素社会を燃料電池車とだけ結び付けて論じる状況ではなくなってきているのも事実だ。

前回の国の「エネルギー基本計画」では、家庭用燃料電池への言及はあるものの、火力発電所で水素を使うという形態は位置付けられていない。策定作業が本格化を迎える新たな基本計画での幅広な視点を期待したい。

[日経産業新聞2013年7月26日付]

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