Tech Frontline

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

電王戦「将棋ソフト、本当の強さはこれから」
コンピューター将棋研究第一人者の飯田教授に聞く

(1/3ページ)
2013/6/26 7:00
共有
保存
印刷
その他

 今春行われたコンピューター将棋ソフトとプロ棋士との第2回「電王戦」の5番勝負で、コンピューター側が人間を圧倒した。ネット中継が大人気を博し「見る将棋ファン」を増やした点で画期的なイベントだった。コンピューター将棋研究の第一人者で、プロ棋士でもある北陸先端科学技術大学院大学の飯田弘之教授に勝敗のポイントと今後について聞いた。

飯田弘之(いいだ・ひろゆき) 1962年山形県出身。94年東京農工大大学院博士課程修了。静岡大などを経て2005年から現職。専門は人工知能、ゲーム情報学。将棋ソフト「TACOS」などの開発でコンピューター将棋の先駆者的存在。世界コンピュータ将棋選手権の世話役を長く務め、ソフト開発者たちとの交流が深い。自身はソフト開発の現場から離れ、ゲームの背後にある思考の可視化研究に取り組む。指し将棋は83年プロ四段。88年五段、00年六段。94年から棋士活動は休止している。

飯田弘之(いいだ・ひろゆき) 1962年山形県出身。94年東京農工大大学院博士課程修了。静岡大などを経て2005年から現職。専門は人工知能、ゲーム情報学。将棋ソフト「TACOS」などの開発でコンピューター将棋の先駆者的存在。世界コンピュータ将棋選手権の世話役を長く務め、ソフト開発者たちとの交流が深い。自身はソフト開発の現場から離れ、ゲームの背後にある思考の可視化研究に取り組む。指し将棋は83年プロ四段。88年五段、00年六段。94年から棋士活動は休止している。

 ――コンピューターの3勝1敗1分をどうみていますか。

 「第1局こそコンピューター側に凡ミスがあって負けたが、それがなければコンピューター側が全部勝っていたと思う。引き分けも勝ちに等しい。今のコンピューターの実力からみると、あの結果は必然だ。ただ5番勝負に意味があったのか疑問だ」

■米長先生は長い間準備していた

 ――それはなぜですか。

 「電王戦を企画した米長邦雄先生(永世棋聖、前日本将棋連盟会長、2012年12月死去)が期待したのは、先生と同じくらいに準備して対局に臨んでほしいということだった。私も依頼を受けて出場予定のプロ棋士たちと何カ月間か、一緒に勉強させていただいた」

 「でも参加したプロ棋士側は、先生が期待したような準備をしないで臨んだ。だから、そういう点ではあの結果自体にあまり意味はないと思うし、先生の期待を裏切った形になって残念だ」

 ――米長さんは早くからコンピューターの可能性に注目して北陸先端大の特任教授も務め、2012年1月にソフト「ボンクラーズ」と第1回電王戦を戦いました。

 「米長先生はかなり長い年月準備していた。私が察するに数年をかけ、電王戦の半年ぐらい前からは本当に集中していた。そしてボンクラーズと練習対局するうちに、その強さに気がついたという」

 「どうすれば自分に勝つチャンスがあるかをぎりぎりまで考え、2手目6二玉というコンピューターの意表を突く手をひねり出した。それでも最後に形勢を損ねて負けてしまった」

 ――同年3月に金沢市で開いた講演会で敗戦の弁を語りました。

 「『かぐろばに沈みて匂う夏霞 若かりし吾は見つつ観ざりき』という北原白秋の詩を引用し、コンピューターの強さに気がついていたようで気がついていなかったと語っていたのを思い出す」

 「先生の言葉を私なりに解釈してみると、コンピューターの強さというものは、先生が若いときに一生懸命挑戦していた大山康晴十五世名人の強さに重なることに気付いたのではないだろうか」

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ
  • 次へ
共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

関連キーワードで検索

米長邦雄羽生善治電王戦

【PR】

Tech Frontline 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

2017年7月には米オークリーと提携し、ZERO1の前面に取り付けて目を守る「EDGEシールド」を発表(写真:VICIS)

大学発「軟らかいヘルメット」 脳振とう問題に光明か

米国では近年、スポーツにおける「脳振とう」とそれに起因する障がいが社会問題となっている。この問題の渦中にいるのは、選手同士の激しいぶつかり合いが魅力でもあるアメリカンフットボールだ。…続き (9/25)

日立製作所の笠戸事業所で相鉄20000系を製造している様子(資料:相模鉄道)

相鉄・東急直通線向け新型車 10cm細いボディーに個性

 2022年度下期開業を目指して新線建設工事が進む「相鉄・東急直通線」。相模鉄道(相鉄)は、東急東横線・目黒線を経由して渋谷・目黒方面と直通するこのルートを走る新型車両「20000系」を公表した。車体…続き (9/22)

図3 後退時に前方側面に接触の恐れを検知した場合の表示例。(1)や(2)のように、駐車のために後退している場合は通常はリアのビューを右画面に表示しているが、(3)のようにその他の部分での接触の恐れが高まったときには、危ないところが良く見えるようなビューに自動で切り替える

危ない箇所に映像自動切り替え、次世代の駐車支援 [有料会員限定]

 車両の周囲をモニター画面に映し出し、駐車時の運転者による安全確認を支援する「全周囲モニター」。ドイツBoschは、同モニター向けに、接触の危険がある部分がよく見える視点(ビュー)に表示を自動で切り替…続き (9/20)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

TechIn ピックアップ

09月26日(火)

  • ソフトバンクがAI新会社設立へ、孫社長「300年帝国」の野望が始動
  • AIとIoTのエンジニア不足が深刻化、国が育成に本腰
  • IoTの決め手は職業研修と教育にあり ドイツがIoT導入を政府によるトップダウンで行う理由(第2回)

日経産業新聞 ピックアップ2017年9月26日付

2017年9月26日付

・ファーストブランド、専門家の営業支援サイトで英語版、訪日客狙う
・アルプス電気、車載レーザー部品に参入 小型レンズの技応用
・自動運転 向かい合うシート 180度回転 米アディエント提案
・芦森工業、シートベルト部品生産を大阪に移管 年産能力2倍
・介護大手のMCS、「日本式」サービスで中国市場開拓…続き

[PR]

関連媒体サイト