非課税に落とし穴 教育資金贈与商品の使い勝手

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2013/6/15 7:00
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この商品は金融機関が取り扱いに悩むケースもある。「海外で支払った教育費を、非課税口座から払い出せない人がいる」と頭を抱えるのは、ある銀行の担当者。現地通貨で払った入学金や授業料も非課税になる。ただ、お金を払い出す際、いつの時点の為替レートを適用するかが明確に決まっていないからだ。

教育費を海外の学校に支払った日か、領収書の提出と引き換えに金融機関が払い出した日か。為替レート次第で円建ての払い出し額、ひいては非課税枠の残額が変わるだけに独断では決められない。国税庁と文科省は近く扱い方を明確化する見通しだ。

■必要額見極めを

贈与を受けた資金を非課税で払い出す際に必要な書類にも注意しよう。表Bに示した記載事項のある領収書、またはそれに代わる書類がないと非課税では払い出せない。

個人でピアノや書道などを教える人にも、条件にあった領収書を出してもらわなくてはならないので、節税のためとはいえ面倒ではある。

領収書はまず金融機関がチェックし、契約終了後にまとめて税務署に提出される。税務署もチェックするので、架空の領収書などは当然ご法度だ。

教育贈与非課税商品は相続税の節税目的で人気化している面がある。贈与した分は、契約期間中に祖父母や父母からの相続があっても課税対象にならないからだ。とはいえ節税を優先して、使い切れないほど贈与すれば結局、子や孫が贈与税を払うことになる。家族の将来をよく考えて、必要額に絞るのが賢明だろう。(編集委員 後藤直久)

▼教育贈与非課税商品 祖父母や父母が子・孫の教育資金をまとめて金融機関に預ける場合、子や孫1人当たり1500万円(学習塾などの費用はうち500万円)まで贈与税が非課税になる商品。4月から15年末までの贈与が対象だ。
 学校の入学金や授業料、学習塾の費用の領収書などを、金融機関に提出すれば非課税となる。教育費以外の払い出しや30歳時点で使い残した額は課税される。

[日本経済新聞夕刊2013年6月11日付]

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