ソーシャルビジネス、社会の課題解決に新たな発想
パネル討論

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2013/6/6 3:30
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 環境や貧困といった社会的課題をビジネスの手法で解決する、いわゆるソーシャルビジネスを手がける団体や企業などを表彰する「日経ソーシャルイニシアチブ大賞」(主催・日本経済新聞社)の表彰式と記念シンポジウムが5月23日開かれた。今回が第1回の同大賞には380件以上の応募があった。受賞各者は今後の展開を語り、パネル討論ではソーシャルビジネスの役割と可能性について活発な議論が繰り広げられた。

《役割と可能性》

討論する(左から)モデレーターの原田氏、パネリストの宮城、佐藤、田中、伊佐治の各氏
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討論する(左から)モデレーターの原田氏、パネリストの宮城、佐藤、田中、伊佐治の各氏

 原田氏 ソーシャルビジネスは社会の様々な課題をビジネスの手法で解決し、社会にイノベーション(革新)を起こすことと定義できるだろうか。今日は「その役割は」「社会をどう変えつつあるのか」「企業を活性化するか」を考えたい。

 宮城氏 米国ではかつて最も優秀な学生は起業するといわれたが、今はソーシャルビジネスを担う社会起業家になるのが最も格好いい生き方として定着してきた。私は若者の起業支援や人材育成に20年携わってきたが、日本でも社会起業家のような思いで仕事をしてきた人は多いと思う。まだ市場が支える状況になっていないこの領域を開拓するのが役割だと思い、これまで250組ほどを応援してきた。

 佐藤氏 私は就職活動で、一度も働いたことのない会社に「第1志望です」と言うのに違和感を持ち、企業へのインターンシップを始めた。議員を目指す学生には議員事務所を紹介したが、まったくもうからない。そこでNPO法人で寄付と会費を集めるモデルで議員インターンを紹介して黒字になった。NPOで一番悩ましいのはお金。資金集めを助けるニーズがあるはずだという思いが「寄付仲介」という今の活動につながった。

 原田氏 ジャスト・ギビング・ジャパンはiPS細胞研究で知られる京都大学の山中伸弥教授がマラソン挑戦を通じて研究資金の寄付を募る試みをサポートした。

■田中氏「持続可能性が重要」

グリー社長 田中良和氏
 楽天を経て、2004年に同社を設立。携帯電話向けのソーシャルゲームサイトを運営。

グリー社長 田中良和氏
 楽天を経て、2004年に同社を設立。携帯電話向けのソーシャルゲームサイトを運営。

 田中氏 ソーシャルビジネスに携わる知り合いが意外と多く、IT(情報技術)業界と似ている部分があるのかなと思う。前職の楽天時代は生活の糧を得るために働いたが、「こういうサービスをしたい」と思った時に「お金がもらえないからやらない」は違うと感じた。

 もちろん最低限のお金は必要だ。社会にとって価値があるサービスは収益が上がって持続可能であるべきだ。ソーシャルビジネスも同じだ。

 伊佐治氏 アクセンチュアの日本法人で主にグローバル人材育成、若者の不安定就労問題、企業のダイバーシティー(人材の多様性)促進に取り組んでいる。ビジネス的手法の採り入れ方は2つを意識している。まずは工業化。個人がバラバラに活動するのではなく、徹底的に標準化する。情報技術をフル活用し、目標を置いて成果を定量的に測定する。次に向けた継続的な改善も図る。

 もうひとつは自走化。事業性を持たない活動もあるが、ソーシャルビジネスでは売り上げを確保できるビジネスモデルをつくり、寄付や会費、助成金など、不安定な収入源に頼る比率を減らすことが大切だ。

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