福島県のがれき処理「来春完了は難しい」 環境省
環境省は7日、東日本大震災で発生した福島県のがれきの処理について、当初予定していた来年3月末までの完了は難しいとの見通しを明らかにした。石原伸晃環境相は同日の閣議後の記者会見で「夏ごろをめどに全体の処理の見通しを改めて示したい」と述べた。
岩手、宮城両県のがれきについては、県内での処理に加え、17都府県が広域処理(計67万トン)の受け入れを表明したことで、目標通り来年3月末までにすべての処理が終了する見通し。
福島県の処理が遅れているのは、東京電力福島第1原発事故の影響で原発周辺の一部地域で処理が大幅に遅れているのが原因。除染で出た汚染土などの中間貯蔵施設の設置場所が決まらず、仮置き場の設置受け入れも進んでいない。石原環境相は処理を加速させるには「地元の協力がないとできない」と強調した。
国が直轄してがれきを処理する11市町村では、南相馬市、楢葉町、川内村でようやく仮置き場への搬入が始まったばかり。今後は同地域での処理を急ぐ。
国が自治体に代わって処理する地域では2月から最初の仮設焼却炉の処理が始まっており、作業を加速させる。
震災によって発生したがれきの推計量は岩手、宮城、福島の3県で計2590万トン。内訳をみると、がれきに相当する災害廃棄物が1582万トン、土砂などの津波堆積物は1009万トンある。
3月末現在のがれきの処理状況は岩手県49%(180万トン)、宮城県65%(676万トン)、福島県40%(68万トン)。岩手、宮城両県については3月末を期限にそれぞれ58%、59%を中間目標として設定していた。