ドコモ営業益4%減の8371億円 販促費積み増し、13年3月期
NTTドコモが26日発表した2013年3月期連結決算(米国会計基準)は営業利益が前の期比4%減の8371億円だった。ドコモは12年4~9月期決算発表時に米アップル「iPhone(アイフォーン)」に対抗するため販促費を積み増し、通期予想を下方修正していたが、計画していた8200億円を上回って着地した。
売上高は5%増の4兆4701億円。携帯電話の販売台数は2355万台と、前の期から7%増えた。スマホの販売台数が伸びたほかデータ通信料も増加。高速データ通信サービス「Xi(クロッシィ)」の契約数は1157万件と、前の期末から5倍に拡大した。
増収の一方で減益となった要因は販促費の増加だ。KDDIやソフトバンクが昨年9月に「iPhone5」を売り出した影響で競合他社に顧客が流出。年間累計のMNP(番号持ち運び制度)は140万9500件の転出超過と過去最悪となった。
会見した加藤薫社長は「(流出が)拡大したことは残念。特に9、10月が苦戦した」と振り返った。対抗策として、代理店へ支払う手数料やキャンペーン費用を積み増し販管費は6%増の1兆1617億円だった。
同日発表した14年3月期の業績予想は、売上高が前期比4%増の4兆6400億円、純利益が3%増の5100億円を見込む。年間配当は前期比横ばいの6000円。スマホの販売台数が伸びる見通し。代理店手数料や通信設備使用料を抑えることで前期から1100億円のコストを削減する。
ドコモは2月に売り出した春モデル製品のスマホが下支えし、13年1~3月期にMNPの純増数がようやく前年同期を上回った。加藤社長は「競争力は回復の兆しをみせている」と強調。年内に韓国サムスン電子と共同開発する新OS「TIZEN(タイゼン)」を搭載したスマホを発売することもあり「今期の顧客流出は前期から2~3割改善したい」と述べた。
iPhone導入の可能性については「魅力的な端末だと思うし、色々と検討は進めているが、従来と変わった点はない」と述べた。
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同日、NTTドコモは10月1日付で株式1株を100株に分割、同時に1単元を1株から100株とすると発表した。同業他社などと株価を比較しやすくする。
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