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6県景況感、足踏み続く 日銀短観6四半期ぶりマイナス

日銀仙台支店が1日発表した東北6県の3月の企業短期経済観測調査(短観)は全産業の業況判断指数(DI)がマイナス1と、前四半期比3ポイント悪化し、6四半期ぶりにマイナス圏になった。景況感の足踏みが続いており、中小企業を中心に需要減や燃料高による採算悪化の声が目立つ。ただ、輸出回復で大企業が持ち直し始めており、下請けも先行きは回復を期待する声がある。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」とした企業の割合を引いた数値。東北のDIは東日本大震災後の2011年12月以降プラス圏を維持していた。DIは3四半期連続で低下した。

製造業は7ポイント悪化のマイナス17。業種では米アップルのスマートフォン(スマホ)「iPhone5」の減産が響く電気機械が17ポイント低下のマイナス41と大幅悪化。円安によるコスト上昇で鉄鋼も8ポイント悪化した。震災の復興需要が支えの非製造業も今回はプラス8と3ポイント悪化した。燃料や資材価格の高騰が逆風だ。

製造業では特に中堅・中小の業況が悪い。日本経済新聞社が取材した宮城県のある自動車部品メーカーは、震災による被災設備の復旧完了後も足元の売上高が8~9割の水準にとどまる。「リーマン・ショック後に取引先の生産が海外シフトした」ことが原因とみる。長期の円高で失った受注の回復に時間がかかる。

太子食品工業(青森県三戸町)の工藤茂雄社長は「(安倍政権の経済政策である)『アベノミクス』の効果は地方の中小企業には及んでいない。小売店の売上高は落ちている」と指摘する。円安による燃料費の増加で年間数億円単位のコスト増になるが、価格転嫁は難しいという。

そのなかで、先行きに明るい見通しも出始めている。短観の先行き予測(6月時点)の業況判断DIは製造業でマイナス11となり現状より6ポイント改善。ミクロン精密は中国市場で競合する欧州メーカーとの価格差が円安を機に縮まってきたという。榊原憲二社長は「自動車や建設機械向けの受注が増えている」と追い風を肌で感じる。

東北の製造業中心に投資する東北イノベーションキャピタル(仙台市)の熊谷巧社長は「東北は下請け企業が多く、全国の景気回復とタイムラグがある」と指摘。今年度前半にはアベノミクス効果が東北の実体経済にも目に見えて波及し始めるとみる。

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