ヤオコー社長、パート含む従業員らに株式贈与
埼玉県が地盤の食品スーパー、ヤオコーは11日、3月末で退任する川野清巳社長が自身の保有株式の一部を従業員ら約1800人に贈与すると発表した。発行済み株式の1%強にあたる21万5000株で時価換算では7億8900万円になる。正社員とパート社員を分け隔てしない社風を映し、パートも対象とする。川野社長は「会社発展に尽力した社員への感謝の気持ち」と説明する。
主任か、パート社員にあたる「リーダーパートナー」以上に100株、店長や担当副部長以上(役員を含む)に200株を渡す。11日のヤオコーの株価終値は3670円だった。この水準で換算すると、対象社員は最低36万円を手にすることになる。5月10日に贈与契約を結び、6月20日に株式を譲り渡す。
川野社長は発行済み株式の約7%にあたる146万株を保有する。「贈与は川野社長と社員一人ひとりとの個人間の契約で、いわゆるストックオプションや社員持ち株制度とは別物」(同社)
ヤオコーは川野社長の母親の故川野トモ氏が小規模な八百屋から大企業に育て上げた。パート社員も含めて従業員のやる気を引き出し、積極的に評価する社風が成長の原動力となった。川野社長は株式譲渡で従業員への感謝の気持ちを示し、さらなる士気の向上につなげたい考えだ。
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