遠隔操作2件で片山容疑者を再逮捕 否認の供述
パソコンの遠隔操作事件で、警視庁などの合同捜査本部は3日、大阪府の男性のパソコンを遠隔操作して2件の犯罪予告をしたとして、IT関連会社社員、片山祐輔容疑者(30)=威力業務妨害容疑で逮捕=を偽計業務妨害とハイジャック防止法違反(航空機の運航阻害)の疑いで再逮捕した。捜査本部によると、「身に覚えがない」と容疑を否認している。
再逮捕容疑は昨年7月29日、ウイルスに感染した大阪府吹田市の男性(43)のパソコンを遠隔操作し、大阪市のサイトに大量殺人予告メールを送ったほか、同8月1日、日本航空に成田空港発の航空機の爆破予告メールを送り、同機を成田に引き返させた疑い。
吹田市の男性は大量殺人予告メール事件で誤認逮捕、起訴され、その後起訴が取り消された。
捜査関係者によると、遠隔操作ウイルスの保管先だった米国のサーバーには、事件で使われた複数のバージョンのウイルスが見つかり、吹田市の男性のパソコンから復元されたウイルスも確認された。これらのウイルスには片山容疑者が派遣先で使っていたパソコンで作られたことを示す情報が残っていた。
片山容疑者は逮捕後、一貫して否認。録音・録画を求めて取り調べを拒否している。
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東京地検は3日、愛知県の会社のパソコンを遠隔操作して大量殺人予告を掲示板に書き込んだ威力業務妨害容疑について、処分保留とした。同地検は「一連の事件の特殊性に鑑み、なお一層の慎重な捜査が必要と考えた」としている。