オリエンタルランド、「ブライトンホテル」買収
浦安以外での事業拡大

オリエンタルランド(OLC)は26日、千葉県や京都府などで4ホテルを所有するブライトンコーポレーション(千葉県浦安市)を買収すると発表した。子会社を通じて3月29日付でブライトンの親会社である長谷工コーポレーションから全株式を取得する。負債を含めた買収総額は百数十億円になる見通し。東京ディズニーランドなど浦安市舞浜地区での事業を中心としたOLCは他地域でのビジネスを模索してきており、今回の買収はその一歩となる。
OLCのホテル運営子会社のミリアルリゾートホテルズ(千葉県浦安市)が3月29日付でブライトンの全株式を約5億円で取得する。OLCはこれまでディズニーアンバサダーホテル(千葉県浦安市)などの東京ディズニーリゾート(TDR)内の3つのディズニーホテルと宿泊特化型ホテル「パーム&ファウンテンテラスホテル」(同)を運営していた。
今回、OLCがブライトンを買収するのは同社がTDRの宿泊プランなどで提携している浦安ブライトンホテル(千葉県浦安市)を運営しているためで、相乗効果が得られると判断した。
同時にOLCにとって舞浜以外での事業を始めるチャンスにもなる。OLCは東京ディズニーランドと東京ディズニーシーで構成するテーマパーク事業とホテル事業が柱。2012年4~9月期は、入園者数が1325万人と上期として過去最高を記録したほか、ホテルも12年4~12月期の売上高が前年比23.6%増の376億円と好調だ。
だが舞浜に収益源が集中する事業構造はリスク要因でもあり、他地域への進出は同社の長期的な課題となっていた。07年に米ウォルト・ディズニーと協力し屋内型娯楽施設を福岡市などの地方都市で展開することを検討したが、白紙に戻るなどこれまで思うように進んでいなかった。
ブライトンは浦安市以外に京都ブライトンホテル(京都市)の2つの都市ホテルに加え、京都市と大阪市にある2カ所のビジネスホテルを加えた4ホテルを運営している。OLCは今回の買収を通じて、舞浜以外で初めてホテル事業を展開することになり、収益の幅が広がる。同社ではホテルにとどまらず、事業地域の拡大を検討していく。
長谷工は1988年の京都ブライトンホテルの開業以来、経営多角化の一環でホテルを運営してきた。今回のホテル事業の売却・撤退により、分譲マンションの施工や管理などの建設・不動産関連の本業に経営資源を集中する。ただ会員制ホテルの蓼科ブライトン倶楽部(長野県茅野市)だけは長谷工が最長で11月まで引き続き運営し、その後閉鎖する予定。
長谷工によると、ブライトンの12年3月期の最終損益は1億円の赤字(13年3月期見込みは3億円の黒字)。従業員の雇用は原則継続し、長谷工グループからの出向者は戻る見通しだ。
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