食協、レトルト食品配達に参入 「置き薬方式」で3月
食品卸の食協(広島市)は3月、レトルト食品の配達事業に参入する。あらかじめ商品を詰めた箱を利用者の自宅に置き、利用者は定期的に訪問する担当者に使った分の料金を払う置き薬方式のビジネス。買い物の不便な独り暮らしの高齢者などの需要を見込み、2014年3月期に2億円の事業売り上げを目指す。
宅配するレトルト食品はカレーやサバの味噌煮など総菜を中心に約30種類で、価格は平均250円。担当者が2~3週間に一度利用者の自宅を訪問して集金する。
岩城のかあさん(秋田県由利本荘市)が手がける「おかず箱」事業のエリアフランチャイジーとして、中国5県と兵庫県で展開する。
食協は当面、本部から商品を仕入れ、宅配と集金を担う。年内には食協が地元の食品メーカーと開発した独自商品を投入。利用者が順調に拡大すれば2年後をメドに主力の定番商品も食協が中国地域内で生産する。
食協は子会社を通じ利用者を開拓、配達するほか、配達などを手がけるフランチャイジーも募集する。14年3月期は20社強のフランチャイジーと契約し、総勢で約400人の配達員体制を目指す。広島市内では1000軒以上の高齢者の自宅におかず箱を配置したい考えだ。
定期的に利用者を訪問するため、独り暮らしの高齢者の安否確認にも生かせることをアピールし利用者の拡大を目指す。