2018年6月25日(月)

TPP、首都圏輸出入双方の企業に期待感

2013/2/26付
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 日本が6月にも、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する見通しになった。参加国は知的財産やサービスなどの分野で共通ルール作りを目指しており、首都圏の企業はこの面での恩恵を受ける。どの分野の関税が撤廃されるかは今後の交渉次第だが、輸出と輸入、双方の企業に効果がありそうだ。

 試薬キットを開発するベンチャーのAKJグローバルテクノロジー(千葉市)は、米国や中国の市場開拓を目指す。すでにいくつかの国際特許出願に向けて動いているが「国ごとに手続きが異なり費用も1カ国300万~400万円はかかる」(高橋禅専務)。知財の統一ルールができれば「我々のようなベンチャーは大変助かる」と期待する。

 東京都知的財産総合センターの生島博所長も「制度の統一で中小企業の新製品の保護が前進すれば」と期待を寄せる。

 ただ日本企業との関係が深い中国はTPPの交渉参加に慎重姿勢を示す。スマートフォン向けに音声通訳ソフトを開発する東京ベイ通信(千葉市)の安藤久社長は「中国での技術流出が怖い。TPPの行方は気になるが、具体的なことがわからないので期待と心配が半々だ」と話す。

 首都圏企業の間では、製品を海外に直接輸出していない中小企業も含め、関税撤廃への期待が大きい。

 金属部品加工を手掛ける日本メカニック(東京・板橋)はOA機器などに使われるシャフトなどを生産し、将来は東南アジアなどへの直接輸出を視野に入れる。関清一社長は「TPPへの参加で取引先の海外展開が活発化すれば、中小企業も恩恵を受けやすくなる」と歓迎する。

 プラスチック金型のモルテック(川崎市)の松井宏一社長も「国内の製造業に動きが出れば、間接的なメリットが出てくる」という。

 「新興国向けに先端技術を使った製品の販売が伸びる」とみるのは、樹脂製品製造、東洋樹脂(埼玉県ときがわ町)の風間均社長。新興国では、先端分野の製品に高い関税をかける国があり、それが輸出の障害になっているからだ。

 自動車部品大手の曙ブレーキ工業は交渉の具体的な中身に注目する。米国は日本に乗用車やトラックの関税撤廃の猶予を求める見通しのためだ。「事業戦略がどう変わるかなどは、これからの交渉の詳細次第」(広報室)とみている。

 一方、輸入食材を利用する外食店や小売店は、輸入関税撤廃への期待が強い。

 東京都内に牛タン店「牛たん とろろ 麦めし ねぎし」を30店運営するねぎしフードサービス(東京・新宿)はTPPを歓迎する。ねぎしで扱う牛タンは主にオーストラリア産。現在は原則12.8%の輸入関税がかかっているが、日・豪のTPP参加で「関税がかからなくなれば、より安く提供できるようになる」と担当者は話す。

 神奈川県内や東京都内で店舗展開するスーパーも「ワインなどの輸入品が多く、関税がかからなくなれば価格を下げ、商品を売りやすくなる」と説明する。

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