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わが子どう守る ネットいじめ・トラブルの実態

情報セキュリティー会社シマンテックは25日、ネット上の子供のいじめやトラブルの実態と対策に関する記者説明会を都内で開いた。

米シマンテックのオンラインファミリーセーフティー担当のマリアン・メリット氏と、全国Webカウンセリング協議会の安川雅史理事長が登壇し、米国と日本の事例を交えたネットいじめやトラブルの実態と対処法を紹介した。我が子にインターネットを安全に利用させるために、親ができることは何なのか。

オフラインとオンラインのいじめに高い相関関係

断絶しているかのように思える子供の学校生活とインターネット上の友人関係。だが、これらオフラインとオンラインで起こるいじめには高い相関関係があると、メリット氏は主張した。米国の場合、学校でいじめられている子供がインターネット上でもいじめを受ける可能性は、そうでない子供の2.7倍にものぼるというデータがある。逆に学校生活でいじめられている子供たちが、ネット上でいじめの加害者になる可能性は、そうでない子供にくらべて2倍にもなるという。

特に近年は米国でも、子供たちの間に携帯電話が普及し、インターネット上の行動を親が監視しにくくなっている。インターネットは情報を双方向で発信できるため、我が子がいじめの加害者になる可能性も否定できない。だが「双方向性を意識せず、テレビのような受け身の娯楽ツールと同じような感覚で、インターネットを子供に利用させている親が多い」。同氏は警鐘を鳴らす。

では、実際にオフラインとオンラインのいじめはどのようにリンクしていくのか。

いじめに耐えかねネットに書き込み「加害者に」

「ネット上では、弱い者でも力を持てる。そのため、一瞬にして立場が逆転してしまうケースもある」(メリット氏)

安川氏は国内の事例としてある女子児童の例を挙げ「彼女は果たして"加害者"だろうか」と問題提起した。

その女子児童は小学校1年生から6年生まで、男子児童からいじめに遭っていた。耐えかねた女子児童は6年生の時、インターネット上に自分をいじめる男子児童たちの実名と悪口を書きこんでしまった。

女子児童の行為は翌日、担任教師に知れることとなった。女子児童がいじめられていることに気付かなかった担任教師は、クラス全員の家庭に電話をし「加害者」として女子児童の名前を告げたという。さらに校長が、女子児童の両親に対して「犯罪者を育てているのか」などと発言。女子児童は以来ほとんど外に出られなくなり、中学校の3年間も登校できなかった。

隠語で違法行為のやり取り

いじめ以外にも、子供のインターネット利用時にトラブルが頻発している。中でも多いのが画像に関するものだ。友人や恋人と撮ったプリクラや喫煙、飲酒時の画像まで、個人情報を安易にインターネット上に掲載し、大手掲示板などに"さらされる"ケースが後を絶たない。

「子供たちは『パスワードをかけているから安全』と思っているが、すぐに破られてしまう」(安川氏)

子供たち自ら「隠語」と呼ばれる当て字などを使って、インターネット上の危険に飛び込んでいく例も後を絶たない。

「最近は会員制サイト(クローズドサイト)などでまずメールアドレスを交換する。そうした子供たちを狙う犯罪者と、援助交際や薬物売買などのやり取りを隠語でするため足がつかない」(同)。こうした行為に手を染めた結果、犯罪に巻き込まれることすら珍しくない。

特にこれら、親の目が届かない携帯電話を通じてやり取りされることがほとんどだという。では、親ができることは何なのか。

3人の子供を持つメリット氏は「常日ごろから、インターネットの利用方法について子供たちと話し合う時間を設けている」と述べた。日本語版「ノートンファミリーアドバイス」には、話し合いの際のテーマとして以下の5点が記載されている。

<ノートンファミリーアドバイス5つのテーマ>
1.友達はインターネットで何をしているか
2.いちばんカッコいいWebサイトやいちばん新しいWebサイトは何か
3.お気に入りのサイトを見せてもらう
4.ネットいじめが起こったときの対処方法(返信しない、保存する、遮断する、保護者またはほかの大人に連絡する)を教える
5.インターネットでおかしいと思うことや、不快に思うものを見たことはないか

インターネットで「他人とつながりたい」と考える子供たちは、何らかの悩みや孤独感を抱えているケースがほとんどだ。以上5点について毎年親子が話し合い、対話の時間を設けると共に、何かあった際に子供が正直に打ち明ける環境を整えられるという。

安川氏は、特にスマホの利用について「自分は使い方が分からないのに、子供にせがまれるまま買い与えるのは無責任だ」と指摘した。

例えば有害サイトやアダルト広告などを遮断するフィルタリング機能。子供たちは以下のように主張し、スマホを買い与える際などに仕組みを理解していない親が、よくわからないまま外してしまう例が少なくない。

安川氏は子供たちが親に「フィルタリング機能を外してほしい」と主張する際、よく使う理由として下記4点を述べ「いずれも正確ではない」と注意を促した。

<フィルタリング機能4つのウソ>
1.着メロなどのコンテンツがダウンロードできなくなる
→ウソ。制限されるのは著作権違法サービスのみである
2.ファストフードなどのクーポンがダウンロードできなくなる
→ウソ。制限されるのは、風俗関連などの未成年向けではないサービスのみである
3.プロフィルサイトなどで知り合った人とやり取りができなくなる
→ウソ。制限されるのは広告表示のみである
4.(閲覧できるサイトが減るため)インターネットで勉強ができなくなる
→ウソ。そもそもインターネット上には、デマや不正確な情報が氾濫していることから教えるべきだ。

子供を信じていたのに――。「わが子にトラブルが起こった際、無責任な親ほどこの言葉を口にする」(安川氏)。

インターネットは便利なツールで、幼少期から使うこと自体は問題ない。しかし、スマホなどのハイテク機器であっても、親も一緒に学んでいく姿勢が必要だ。

(電子報道部 富谷瑠美)

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