三菱レイヨン、アジアで水処理膜開発 中国・清華大と研究所

2013/2/16付
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三菱レイヨンはアジアの有力大学と水処理膜を共同開発する。中国では4月、技術系大学として有名な清華大学と研究所を設立。ベトナムでも現地の有力大学と組む。水処理膜は地域や産業で異なる廃水を処理する技術の開発が必要。海外の大学との連携で製品投入を加速する。同社の水関連の売上高は年300億円程度。世界で最も高い成長を見込める中国などの事業拡大により2015年度に700億円に引き上げる。

同社は水処理膜のうち、微生物の働きと膜ろ過を生かす「膜分離活性汚泥法(MBR)」と呼ばれる分野に強い。工業廃水を含む下水用途の世界シェアは3割で、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と首位を争う。これまでの事業は日本が中心だったが、今後は海外市場の開拓を急ぐ。

特に中国は工場や家庭からの廃水による環境汚染が一段と深刻になっており、高性能の水処理設備のニーズが拡大する。三菱レイヨンは中国政府が次世代環境技術の中核開発拠点とし、大型の水処理プロジェクトを担う清華大と連携する。

まず中国浙江省に清華大と共同で水処理の研究センターをつくる。研究員は5~6人。廃水の処理が難しい化学関連企業向けなどの製品開発を急ぐ。研究センターは顧客に水処理設備などを提案、三菱レイヨンとして受注も狙う。家庭用浄水器も開発する。センターで水質データを調べ物質を除去する活性炭の量を変えるなどした複数のタイプの浄水器を開発する。

東南アジアではベトナム市場に参入する。3月に開発などで契約を結ぶのは有力大学であるハノイ建設大学。三菱レイヨンが廃水を持ち込んで水質分析してもらうなど現地での処理膜の普及をにらみ協力関係を築く。

ベトナムの水処理は時間をかけた旧来式の沈殿法が多く、膜を用いる設備はほとんどない。このため、現地エンジニアリング会社のグリーンテック(ホーチミン市)と提携した。水処理設備の顧客開拓を地道に進める。

水処理膜は複数の種類があるが、高機能品では東レや旭化成、日東電工などを含めた日本勢が世界の6割を占めるとされる。中国では三菱レイヨンが強いMBR方式が有望とされており、水処理膜需要(処理能力ベース)は17年に10年の10倍になるとの試算もある。

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