福島原発賠償の時効撤廃を検討 政府
下村博文文部科学相は12日、東京電力福島第1原発事故の和解を巡る手続き中に、賠償請求権の時効が過ぎても権利が消滅しないよう特例法案を検討していると明らかにした。通常国会に提出する方向で調整を進める。
民法は、損害賠償請求権は3年を経過した場合、時効により消滅すると規定。福島県などが国に対応を求めていた。
文科省によると、国の原子力損害賠償紛争解決センターによる和解仲介手続きが不調に終わった時点で時効を過ぎても、その後、一定期間は賠償請求権がなくならないことを法案に明記する。
センターへの和解仲介申し立ては7日時点で5401件に上るが、解決済みは2274件にとどまり、和解手続きは長期化。文科省はセンターの体制強化を図ってきたが「調査官の増員などには限界がある。時効への対応が必要」としている。
原発事故では東電が既に、時効が過ぎても損害賠償に応じる考えを示している。〔共同〕