東電社長が陳謝、再調査「最大限協力」 虚偽説明問題
東京電力の「真っ暗だ」との虚偽説明により、国会の事故調査委員会が福島第1原子力発電所1号機原子炉建屋内の現地調査を断念した問題で、東電の広瀬直己社長は12日、衆院予算委員会に参考人として出席し「誠に申し訳なく思っている」と陳謝した。そのうえで、建屋内の再調査について「最大限の協力をする」と述べた。民主党の辻元清美氏への答弁。
国会事故調は、同原発の重要機器が地震で壊れた可能性があるとみていたが、立ち入り調査の断念で結論は出なかった。原子力規制委員会の田中俊一委員長はこの日の答弁で「各事故調に判断の違いがあり、予断を持たずに科学的に解明する。放射線量が高い場所だが、できるだけ速やかに調査に取り組む」と述べ、再調査に前向きな姿勢を示した。
広瀬社長は「(虚偽説明した当時の部長は)最初から建屋の中が暗いという思い込みのもとで誤った説明をした」と述べて意図的でなかったと釈明。上司への相談はなかったとし、誤った原因について「社外の専門家を入れて調査する。悪かった点は直していかなければいけない」と話した。
この問題で東電は昨年2月、国会事故調に対し、原子炉建屋のカバー設置後に撮影した建屋内の映像を見せて「これは建屋カバー設置前の映像で、現在は真っ暗だ」と説明。実際はカバー設置後も建屋内は光が差し、照明もあったが、国会事故調は説明を受けた後、現地調査を断念した。
問題が発覚した今月7日、東電は「国会事故調から現場の明るさについて質問があり、回答した」と説明していたが、12日までに「当社側から暗いと説明した」と訂正し、ホームページに「おわび」を掲載した。
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