/

電池、革新機構軸に再編機運 ソニーが呼び水

国内電池産業の再編機運が高まっている。リチウムイオン電池分野で強みを持っていた日本勢が韓国勢の激しい追い上げにさらされるなか、ソニーは電池事業の売却を検討しており、政府系ファンドの産業革新機構や台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業などと交渉している。電池技術の海外流出を懸念する革新機構は国内電池メーカーの合従連衡を模索している。

リチウムイオン電池はスマートフォン(スマホ)や電気自動車(EV)の中核部品に使われ、NECやパナソニックなども手掛けている。

2012年3月期まで連結最終損益が4期連続の赤字だったソニーは「中核事業以外のすべての事業を見直す」(平井一夫社長兼最高経営責任者=CEO)構造改革を加速させており、すでに中小型液晶事業や化学事業の売却に踏み切った。

ソニーの電池事業は同社が1991年に世界で初めて実用化したリチウムイオン電池が主力で携帯電話やパソコン向けなどを広く展開する。スマホ大手向けに採用が進むなど高い技術力を持つが、リチウムイオン電池最大手のサムスンSDIなど韓国勢との価格競争が激化しており、単独での事業展開は難しいと判断。事業切り出しの検討に入っている。

ソニーのリチウムイオン電池技術の海外流出につながる可能性があるとみた革新機構は国内電池メーカー統合のシナリオづくりに着手した。ソニーの事業売却検討にあわせて、革新機構は国内電機大手が展開する電池事業を束ねて産業全体の競争力を高める構想を立案。日産自動車とNECの共同出資会社との統合案も選択肢の1つとして浮上している。

日産とNECは共同出資会社を通じ、車載リチウムイオン電池工場を運営しているが、年10万台分の電池の生産能力を生かしきれていない。

革新機構はソニー、日立製作所、東芝の中小型液晶事業を統合したジャパンディスプレイ(東京・港)の設立を主導した実績がある。リチウムイオン電池はスマホやパソコンなどで広く使われるほか、市場成長が見込めるEVや蓄電池などの中核部品でもある。革新機構は事業統合でコスト競争力を高めて電機産業の再成長を促す狙いだ。

業界には「世界と戦う規模を追求できる」と期待する声もあるが、交渉はまだ初期段階。様々な組み合わせが浮上している。単独での生き残りが難しくなるなか、どう相乗効果を高められるかを探っている。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン