武装勢力、外国人選び襲撃 実行犯は8カ国出身

2013/1/22付
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【カイロ=花房良祐】日揮の日本人社員7人が亡くなったアルジェリア人質事件で、現地の報道などから事件発生時の状況が分かってきた。イスラム過激派の武装勢力はキリスト教徒とみられる外国人を選んで襲撃。実行犯がエジプト、チュニジアなど8カ国出身者で構成されていたことも判明し、武装勢力が多国籍の犯罪組織を築いていた可能性も浮上してきた。

アルジェリアのセラル首相は21日、同国東部イナメナスで起きた事件で外国人の人質37人が死亡したことを公表。現場は爆発などで激しく混乱したようで、外国人5人の安否が依然不明だ。

生存者が現地メディアに語った証言などで、武装勢力による16日未明の襲撃の様子も分かってきた。当時は数百人がガス田施設で働いていた。武装勢力は、従業員を乗せて施設の東方にある空港に向かうバスを襲撃し、居住区域にも侵入した。

武装勢力の実行犯はこの襲撃で、イスラム教徒以外の「異教徒」に狙いを定めていたという。ある被害者は、実行犯が「イスラム教徒は殺さない。殺すのはキリスト教徒だけだ」と話しているのを聞いた。アルジェリア人は乱暴な扱いを受けなかった。

この地区にもともと拠点を持っていたアルジェリア軍は、居住区域を包囲。武装勢力は逃走の準備に入り、人質をトラック5台に乗せた。このタイミングで軍が掃討作戦を決行し、ヘリなどが攻撃を開始。人質も乗ったトラック5台のうち4台が破壊されたという。

この混乱の際に多く人質が逃亡に成功したとみられる。ただ、外国人は手足を縛られていて逃げられなかったとの証言がある。

アルジェリア内務省によると、助かった人質792人のうちアルジェリア人は685人を占めた。武装勢力が狙った外国人の多数が命を落とす悲劇の結末となった。

施設内で息を潜めて九死に一生を得た人もいる。ベッドの下に潜んだり、屋根裏に隠れたりしていた人は武装勢力に発見されず、助かった。

武装勢力の実態も徐々に明らかになってきた。セラル首相によると、実行犯は8カ国の出身者で構成。2カ月前から準備を進めており、人質にした外国人を隣国のマリに連れ去ることを目的としていたという。

この事件では、国際テロ組織アルカイダ系「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)の元幹部だったベルモフタール司令官が犯行声明を出している。真偽は不明だが、武装勢力は国際的な犯罪組織を築いている可能性もある。

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