2019年2月23日(土)

広電新社長、駅前新線・運賃上げ白紙 前社長解任で会見

2013/1/10付
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広島電鉄の椋田昌夫社長は9日、就任記者会見を開き、8日の臨時取締役会で解任した越智秀信前社長が推進してきた2つの事業を白紙に戻すと表明した。路面電車の運賃引き上げとJR広島駅前で計画する新線の進入方法について「取締役全員の意思でない」として転換する。越智前社長を非常勤取締役とし、役員や社員、取引先との意思疎通を重視する経営体制に移行する考えを示した。

椋田社長は広島市の本社で開いた記者会見の冒頭、「世間を騒がすことになり市民や株主に申し訳ない」と陳謝した。椋田社長によると、国土交通省出身の越智氏が2009年に同社に転じ10年に社長に就任して以降、取締役など社内の意見を聞かず独断で経営方針を決めるようになり、社内外が混乱したという。

椋田社長は解任理由として、越智氏が推進した運賃引き上げとJR広島駅前に直線で入る新線「駅前大橋線」整備計画を挙げた。越智氏は昨秋、老朽化が進む路面電車を低床車両に切り替えるため、広島市内で150円均一の運賃を30円程度値上げすると表明した。昨年末の日本経済新聞のインタビューで越智氏は、現在の約120編成の4割が運行から47年が経過したと指摘。40編成を15年程度で入れ替えるには120億円の費用が必要となるとし「13年度には値上げに踏み切らざるを得ない」と説明したうえで、今春にも国交省に申請する意向を示した。

椋田社長は会見で「老朽化した車両の更新は必要でいつかは(値上げを)しなくてはならない」としつつ、市民生活への影響や企業規模に対する投資額の大きさを理由に「白紙に戻す」とした。

新線計画は広島市中心部から遠回りして広島駅に入る路線を直線にして時間を短縮する。市の検討委員会は10年から乗り入れ方式を検討し高架方式と地下方式に絞って3月までに結論を出す。

越智氏は地下方式、西日本旅客鉄道(JR西日本)は新幹線との接続の観点から高架方式を支持しているが、椋田社長は「越智氏以外に地下方式を推進する者はいない」と強調。今後、市やJRと調整し「できる限り協力したい」と語った。松井一実市長や中国運輸局には事業を白紙に戻すことを伝えたという。

両事業は今春に節目を迎える予定だったため、社長解任という異例の展開となった。広電の事業計画の決定過程が今後、どのように変化するかに注目が集まりそうだ。

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