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三菱航空機、MRJ離陸へ二人三脚

川井新社長、開発の進展急ぐ/江川新会長、受注拡大へ営業

国産小型ジェット旅客機「MRJ」を開発する三菱航空機(名古屋市)が体制を刷新する。2013年1月1日付で、航空機の型式証明に詳しい川井昭陽副社長が社長兼最高執行責任者(COO)に就任。江川豪雄社長は会長兼最高経営責任者(CEO)として経営全体をみながら営業活動を展開する。二人三脚でMRJの"離陸"に向け準備を整える。

MRJの完成予想図

川井氏は親会社の三菱重工業で航空機の技術畑を歩み、ビジネスジェット機「MU-300」の型式証明取得にかかわった経験を持つ。型式証明は航空機の設計が安全性などの基準を満たしているか当局が確認する重要なプロセス。取得できなければ顧客を乗せて空を飛ぶことが許されない。MRJは50年ぶりの国産旅客機ということもあり、以前から官民ともに型式証明に詳しい人材の不足が懸念されていた。

仮に、型式証明の取得に手間取れば、引き渡し時期がさらに遅れる可能性も残る。MRJは12年4月、予定を1年あまり遅らせる新たな事業計画を発表しており、これ以上遅れれば、納入時期をもとに運航計画を立てている航空会社からの違約金が発生したり、注文がキャンセルされたりする可能性もある。

MRJは機体の一部組み立て作業が始まり、13年の初飛行に向け生産が急ピッチ。並行して型式証明の取得作業を進める必要があり、航空機の製造技術に詳しい川井氏に対する期待も大きい。

一方、江川氏は会長に就いた後も最前線で営業活動を引っ張る。江川氏は受注目標を従来の1.5倍にあたる1500機に上方修正するなど強気の姿勢を貫く。

MRJは現在、全日本空輸や米地域航空2社などから計230機(未確定分含む)の受注を確保しているが、8割強が米国からの受注。日本を除くアジアは香港のリース会社からの5機にとどまり、経済が冷え込む欧州からの受注はゼロだ。1500機達成にはアジア・欧州での受注拡大が欠かせず、江川氏は営業マンとして今後も世界を飛び回る必要がある。

計画通り生産を進めながら世界各地での営業活動をけん引することは難しく、江川、川井の両氏が役割を分担して難局を乗り切り、事業を円滑に進めたいとの思惑も見える。

中部地方ではMRJの主力製造拠点である三菱重工業の飛島工場(愛知県飛島村)などを抱えるほか、その部品加工の下請けの商機に期待する中小企業も多い。MRJの開発進展や受注動向の注目は高い。

2トップの手腕が、日本と中部の航空機産業の将来を左右するといえそうだ。

(長縄雄輝、新沼大)

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