ブラザーがニッセイ子会社化 機械部品、海外で拡販

2012/12/5付
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ブラザー工業が機械部品メーカーのニッセイを連結子会社化する。プリンターからカラオケまで手掛けるブラザーの事業に機械部品が加わり、多角化がさらに加速する。ニッセイの減速機や歯車をブラザーの海外販売網にのせて拡販。さらにニッセイが持つ燃料電池などの技術シーズを両社で開花させ、ブラザーが掲げる中期経営計画達成の足掛かりにする狙いだ。

「新規事業の成長策を真っ白な紙の上で考えたら、足元にものすごくいいパートナーがいた」。ブラザーの小池利和社長は4日に名古屋市で開いた記者会見で、両社の近い関係を強調した。

ニッセイは1942年に、ブラザーにミシンの針や部品を納めるサプライヤーとして創業した。その後、中核事業を歯車や減速機に転換。現在では「小型ギアモーターでは国内シェア25~30%」(藤井明社長)となるなど、国内を中心に手堅く事業を展開している。

ブラザーは65年にニッセイに出資するなど協力関係を維持。工作機械の部品などの供給を受けているほか、米国子会社を通じてニッセイの減速機を販売してきた。

連結子会社化を機に、ニッセイの歯車や減速機を米国と中国を中心に海外で拡販する。ニッセイの連結売上高約150億円のうち、海外分は2割の30億円程度。3~5年で、海外も国内に近い規模に成長させる方針だ。

ブラザーは昨年3月に策定した中計(2016年3月期目標)で「新規事業」で500億円の売上高創出を目指している。ニッセイの手堅い機械部品を事業ポートフォリオに組み込んだうえで、ニッセイが手掛ける高効率の太陽光発電装置や燃料電池など新技術の事業化を加速する。研究開発でも連携し、ニッセイのハードとブラザーのソフトを組み合わせて新事業創出につなげる。

中計の連結売上高の目標数値は7500億円。円高の進行で売り上げが目減りし、直近の12年3月期の連結売上高は4974億円。為替レートを中計の前提である「1ドル=100円」などで換算し直しても5700億円~6000億円にとどまる厳しい状況だ。

小池社長は「社内には為替換算後の数字で、中計の達成を呼びかけている。それでもハードルは低くない」と危機感を隠さない。今後も新たな成長の種を求めてM&A(合併・買収)や事業提携など活発な動きが続きそうだ。(川俊成)

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