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関西広域連合長に井戸氏再選 「オール関西」勢い保てるか

再選され、あいさつする井戸広域連合長(22日午後、大阪市北区)

関西広域連合は22日、代表の連合長に兵庫県の井戸敏三知事(67)を再選した。1期目は東日本大震災の被災地支援や原子力発電所の再稼働問題で注目されたが、懸案である国の出先機関の地方移管は実現しなかった。大阪市の橋下徹市長が日本維新の会を設立し、複数の首長が一体で国に影響力を行使する仕組みが機能しなくなるおそれもある。井戸連合長のリーダーシップが問われる。

井戸連合長は同日、2府5県の知事と4政令指定都市の市長からなる広域連合委員会で再選されたことを受け、「国の出先機関の(権限)移譲を次期政権に実現を図るよう求める」と強調。自民党が21日発表した政権公約で「民主党が進める国の出先機関の特定広域連合への移管は断固反対」としたことに抗議を申し入れることを決めた。

地方整備局など3つの出先機関を地方に移す法案は野田政権が15日に閣議決定したが、衆院解散で国会に提出できなかった。井戸連合長は「具体的な分権への動きに至ったことは大きな成果」と評価したが、2年間の努力は報われなかった。

関西広域連合は国内で初めて府県境を越える広域行政組織として2年前に発足。当初は関西における防災、観光・文化振興、産業振興といった広域の行政課題に取り組んだが、大震災後は活動範囲が域外に広がった。

兵庫県などが宮城県、京都府などが福島県というように各府県が担当する被災県を決め、継続して支援する方式は評価を得た。今月16日時点でも2府5県4政令市で計132人を派遣し、土木技術から埋蔵文化財の発掘・復旧まで様々な支援を展開。阪神大震災からの復興の経験が広域連合を通じ生かされている。

原発稼働停止による電力不足問題にも取り組んだ。関西電力大飯原発(福井県おおい町)再稼働を巡り、関西を代表して5月に細野豪志原発事故担当相(当時)と協議し注目を集めた。22日の連合委員会では大飯原発の断層調査について、政府主導で迅速に進めるよう申し入れることを決めた。

ただ広域連合が今後も従来の存在感を示し続けられるかは不透明だ。大阪府知事時代から発言が注目される橋下市長だが、市長就任後は出席回数が減り、22日も午前中の委員会は欠席した。

日本維新の会代表代行を務めながら広域連合の活動を続けることについて、橋下市長は22日午後の記者会見で「(影響は)出ない。一委員として出席している」と否定。井戸連合長は「(衆院選後に日本維新の会は)一定の勢力を確保するだろうから(橋下市長と松井一郎大阪府知事の)2人がいれば大きな影響力は持ちうる」と述べた。

しかし、衆院選の結果次第では、時に政権与党と協調も必要となる広域連合内の橋下市長らの立場が微妙になる可能性もある。例えば、自民党の政権公約に対し「選挙で決着を付けるべきだ」とあくまで政治家としての立場を強調する橋下市長と、一貫して「特別地方公共団体としての関西広域連合」と自治体トップの立場を主張する井戸連合長とは開きがある。

広域連合設立の最大の目的である地方分権を進めるうえで「これまでの分権改革の手法では(国による)自治体の制約をなくすのは難しい」(同志社大学の新川達郎教授)だけに、実現に向けて強力な推進力が必要となる。旧自治省(現総務省)出身の井戸連合長に突きつけられた課題だ。

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