経済再生、オバマ氏に託す 中間層が支持
雇用改善も追い風

2012/11/7付
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【ワシントン=吉野直也】6日投開票された米大統領選でオバマ大統領が再選を確実にしたのは、勝敗を左右する激戦州で雇用悪化にさらされる中間所得層の幅広い支持を獲得したからだ。直前の雇用改善が現職のオバマ大統領の追い風となった面もある。4年間にわたるオバマ政権の経済政策の審判ともなった今回の大統領選。中間層はオバマ氏に経済再生を託した。

両陣営が天王山として人とカネを重点投入した激戦州のオハイオ。米国のハートランド(心臓部)といわれる中西部に位置し、自動車や鉄鋼などの工場が集まる。オバマ政権が決めた自動車産業の救済策が好感されたうえ、直前に発表された米雇用統計で失業率が改善したのが現職のオバマ氏の追い風になった。

同じ中西部の激戦州、ミシガンやペンシルベニアも製造業が集積する地域として知られる。自動車や鉄鋼などの工場が地域経済を支えており、ここで働く中間層らがオバマ支持に傾いたことが勝敗の決め手となった。ミシガンはロムニー氏の出身地にもかかわらず、オバマ大統領への支持が上回った。

再選を確実にしたオバマ氏だが、経済再生への環境は予断を許さない。失業率は一時よりは改善したとはいえ、7.9%とオバマ氏の大統領就任時より0.1ポイント悪い。挑戦者として「米国の変革」を叫んでいれば済んだ4年前とは状況が違う。

議会の壁もある。上院は民主党が上回るが、下院は共和党が主導権を握る。法案が簡単に成立する状況にはなく、オバマ氏は政策を打ち出しても議会が動かない「ねじれ」に再び苦しむ可能性がある。

「中間所得層が成長しなければ、国家の成功はない」。オバマ氏は遊説で、中間所得層の再生を繰り返した。社会の安定を担う中間所得層の復活は経済の再生と同義。世界の例をみるまでもなく、中間所得層の失望は政治への反乱に向かう。超大国である米国が揺らげば、世界に大きな影響を与える。

2期目の大統領は「遺産(レガシー)」づくりに傾くといわれる。経済再生で歴史にその名を刻むのかどうか。2年後には中間選挙があり、その2年後には16年大統領選の予備選が始まる。オバマ氏に残された時間はそれほど多くない。

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