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被災マンション取り壊し「8割同意」で可能に 法制審中間試案

法制審議会(法相の諮問機関)の被災関連借地借家・建物区分所有法制部会(部会長=山田誠一神戸大教授)は5日付で、大規模災害で被災したマンションについて、区分所有者の8割以上の同意で取り壊しを可能にする法改正の中間試案を公表した。現在は所有者全員の同意が必要。将来発生する恐れがある首都直下型地震や南海トラフ地震などに備え、被災マンションを迅速に処理できるようにする。

法制審は12月上旬までパブリックコメント(意見公募)を実施し、来年2月の答申を目指す。答申を受け法務省は「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(被災マンション法)」改正案を国会に提出する。

中間試案は(1)災害で重大な被害を受けたマンションの取り壊しを所有者の床面積を基準として5分の4以上の同意で決められるようにする(2)残された敷地の売却も賛成者の持ち分合計が5分の4以上であれば可能にする――などの内容。

現行法は、被災マンションの復旧は所有者の4分の3、建て替えは5分の4の同意で決定できるが、取り壊しは全員の同意が必要。所有者と連絡が取れない場合などに長期間放置される可能性があり、日本弁護士連合会などが見直しを求めていた。

中間試案は、取り壊しの決定をしやすくすることで、大破した建物が危険な状態で放置されるのを防ぐほか、建物を再建せずに土地を売った売却益を所有者間で分配して生活再建を進めやすくする狙いもある。

一般社団法人宮城県マンション管理士会(仙台市)によると、東日本大震災後、所有者全員の同意を経て取り壊しに至ったマンションは宮城県で少なくとも5棟。同会の萩原孝次会長は中間試案を「取り壊し決定のハードルが下がり、被災後の対応の選択肢が増えることにつながれば、好ましい」とみる。

そのうえで「被災後の改修費用の支援制度や地震保険の在り方など、マンションの実情に合わない制度は他にも多い。被災マンション法の改正にとどまらず、関連する制度全般の見直しを進めるべきだ」と話している。

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