2018年1月20日(土)

福井銀、178億円回収不能も 小野グループ3社に更生法適用申請

2012/10/27付
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 鍛造ホイール製造のワシマイヤー(福井市)など小野グループの3社の経営が行き詰まった。過去10年近くにわたって繰り返された不正な経理処理が発覚。福井銀行が26日、東京地方裁判所に3社の会社更生法の適用申請に踏み切った。福井銀は貸出金178億円が回収不能となる恐れもあり、2012年4~9月期の最終損益は一転、赤字となる見通しだ。

記者会見する福井銀の伊東忠昭頭取(左)(福井市)

 小野グループはホームページで、保全管理人の弁護士が3社について営業を継続しながら経営再建に取り組むとの内容のコメントを出した。記者会見などは開いていない。

 福井銀行によると、3社の従業員数は300人程度。ワシマイヤーはアルミの高級鍛造ホイールで世界的にも有名だ。アサヒオプティカルも眼鏡用のプラスチックレンズの製造で高い技術を持つ。グループは富山県内にも工場を持っている。

 同日、福井市内で記者会見した伊東忠昭頭取は、今月上旬にグループ代表の小野光太郎氏から直接、不正経理について打ち明けられた経緯を説明した。

 福井銀は3社に対する約181億円の貸出金のほぼ全額について担保を取っていなかった。伊東頭取は「非常に驚いている」と語り、不正経理が寝耳に水だったことを認めた。

 伊東頭取はメーンバンクである福井銀が会社更生法の手続き開始を申請した理由について、3社が資金繰りが行き詰まっていたにもかかわらず、現経営陣による自主再建を求めたことを指摘。「信用不安を防ぐには速やかな手続き開始が必要だった」と述べた。

 福井銀が取り立て不能または遅延が生じる恐れがあるとし、引き当て処理する3社への貸出金178億円は「1企業グループがからむ引当額としては過去最高」。4~9月期の最終損益は従来予想の16億円の黒字から136億円の赤字に転落する見通しだ。

 同行は不正経理があった事実については知らされたものの、その中身に関しては「全容が明らかになるにはかなりの時間がかかりそう」としている。経営の再建に着手するのはその後になる。

 伊東頭取は小野光太郎氏ら現経営陣の退任など、再建計画の具体的な内容に関しては「今はそのようなことを話す段階ではない」と語った。ただその一方で同行からの役員の派遣などについては「検討に値する」と述べ、必要に応じて再建計画に関わっていく意向を示した。

 小野グループの3社の経営行き詰まりについて、地元の福井商工会議所は「コメントできることはない」としている。

 グループの工場がある富山県には連絡はないといい、今後の雇用面などの影響について注視している。

 ▼小野グループ 小野光太郎氏が1968年に立ち上げた日本マイヤーが母体。71年に事業の中核となるワシ興産とワシマイヤーを設立した。その後、M&A(合併・買収)を繰り返しグループを拡大した。ジャスダック上場のローヤル電機を含む。

 アサヒオプティカルは84年に取得した。1990年代にはサンクスアンドアソシエイツ(現サークルKサンクス)を傘下に収めていたことがある。グループ企業数は13社、従業員は約1000人。

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