名古屋で国際航空宇宙展、地元の技術力を欧米大手向けPR

2012/10/10付
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名古屋市内で9日開幕した日本の航空ショー「2012年国際航空宇宙展」は、中小企業の技術を世界に発信する好機となりそうだ。過去最大となる665社・団体が出展。5000件の商談をめざす。欧米の航空機メーカーなどに食い込み、今後の成長の起爆剤にできるかが試されている。

「アジア・オセアニア地域からの部品供給は全体の4%にすぎない。日本企業との関係を築きたい」。ブラジルの航空機大手エンブラエルの調達担当者の説明会。用意された約40席がほぼ埋まり、参加者はラブコールに熱心に耳を傾けた。

中部の中小企業も積極的にアピール。和田製作所(愛知県清須市)の出展ブースでは、従来の航空宇宙展では出展してこなかった"門外不出"の製品が並べられた。航空機部品の成型に使う型だ。同社は三菱重工業向け航空機部品の加工を手掛ける有力協力企業だが、存在感をアピールすることにした。

ロケット部品を手掛ける加藤精密工業(名古屋市)が展示した、高さ40センチメートルの超小型ロケットエンジンの試作品。同エンジンが火を噴く映像を繰り返し放映し聴衆を集めていた。従来のロケット部品加工だけでは海外勢との競争も激しく生き残りが困難。超小型ロケットエンジンの大型化にも取り組み実用化をめざす。加藤義春代表は「中小の新たな挑戦」と話す。

「宇宙産業に参入中」と目立つのぼりを掲げていたのは、金属加工を手掛ける蒲郡製作所(愛知県蒲郡市)。同社は愛知工科大学(同)と、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機に相乗りした小型衛星部品を共同開発、今回の展示会で開発成果を訴えた。

最も関心を集めたのは国産小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」。開発している三菱航空機は実機に搭載予定の座席の座り心地が体験できる実物大模型を公開した。

1兆3000億円の国内の航空宇宙産業で5割を占める中部でもMRJへの期待は高まる一方。MRJの内覧後、大村秀章・愛知県知事は「(国内の航空機産業の)シンボル」と強調。MRJ製造に関わる中部への波及効果に期待感を示した。

ただ、MRJのエンジンや「装備品」と呼ばれる航空機を構成している中核機材の大半が欧米企業からの供給だ。三菱航空機の江川豪雄社長は「中部地域でも装備品の生産、開発を進めていくことが重要だ」と強調、中部の中小企業の奮起を期待する。世界のライバルに伍(ご)していくためには、技術力にさらなる磨きをかけることが不可欠だ。(新沼大)

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