九州先端科技研、車部品設計・開発支援のクラウドサービス

2012/10/10付
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福岡市の外郭団体、九州先端科学技術研究所(ISIT)は電子部品の基板を搭載した自動車部品の設計・開発を支援するクラウドサービスの試験運用を始めた。部品の設計や動作のシミュレーションに使うソフトを自動車メーカーなどに提供。試作品の製造前に不具合を発見することで、新車の開発期間を従来より最大で半分に短縮する。来年度の実用化を目指す。

ブレーキやパワーウインドーなど自動車部品には、動きを制御するためにマイコンなどを搭載した電子基板が組み込まれている。ISITは先月末に試験運用を始めた「ワークショップクラウド(工房クラウド)」を通じ、自動車メーカーや部品メーカーが新たに開発した部品設計のプログラムのエラーの有無などを検査するシミュレーションソフトを提供する。

自動車には1台当たり30~100種類の電子基板を搭載。今回のクラウドサービスでは全ての基板の検査への対応を目指す。

電子基板を搭載した自動車部品は通常、試作品を製造し、動作を確認している。このため、不具合が見つかれば、設計段階に遡って開発し直す必要がある。電子基板のプログラムが正常に作動するかどうかを判定できるソフトを使えば、試作品製造前に検査が可能になる。

電子基板は自動車の性能や安全性などを高められるため、搭載数は増加傾向だ。クラウドサービスを活用すれば、一般的に4~5年程度かかる新車開発期間を最大で半減でき、開発費の大幅削減にもつながる。

ISITはマツダや本田技術研究所、アイシン精機、富士通セミコンダクターなど約20社と研究チームを結成。クラウドを活用し、部品の設計や動作をシミュレーションする仕組みを検討してきた。クラウドサービスはまず、研究チーム内で試験運用。来年度をメドに本格運用を始め、他の企業にもサービスを提供する方針だ。

クラウドサービスを通じ、シミュレーションソフトを共用することで検査コストを圧縮できる。検査で使ったデータなどを蓄積すれば、別のメーカーの設計・開発にも生かせる。

サービスを利用する自動車メーカーや部品メーカーはソフト使用料を支払う。クラウドを管理・運営するISITが手数料を徴収するほか、シミュレーションソフト開発企業も料金の一部を受け取る仕組みだ。

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