東京都、タイで水道保全事業 中小企業の受注後押し

2012/10/2付
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東京都はアジアで水ビジネスに本格参入する。早ければ月内にもタイで水道保全事業に着手し、漏水対策や配管の維持・管理を担当する。水需要が増大する新興国で水道関連のノウハウが豊富な東京都が海外展開を主導し、都内の中小企業の受注を後押しする狙いだ。

2日に都の第三セクター、東京水道サービス(TSS、東京・新宿)が出資する現地の合弁会社とタイの国営機関「首都圏水道公社」が基本合意した。早ければ月内にも正式契約し、受注金額は数千万円とみられる。事業期間は5カ月間。

都が担うのは老朽化したパイプから水が漏れたり、盗まれたりすることで、浄化された水が市民に届かない「無収水」の対策だ。水道料金が徴収できないため、公社の財政を圧迫する要因になっている。タイの無収水率は28%。一方で都は4%と世界各国(英国は21%、米国は11%)と比べても低さが際立つ。

タイではまずバンコクの一地区で水を流す給水区域を決め、現地の業者とともに専用機器を使い漏水している場所を特定する。水道管を修理し、水の量を計るメーターの設置や稼働状況を確認する。最後に今後の対策計画を策定すると同時に、水道事業全体の経営改善も提案していく計画だ。

タイの水道保全事業で一定の成果を上げられれば、台湾やマレーシアなど他のアジア地域の技術支援も視野に入れる。

都はインフラ整備の受注も狙う。ベトナムでは合弁会社を設立し、2020年をメドにハノイ市で大型浄水場を建設する計画を進めている。人口増加が続く新興国では水ビジネスの需要は一層拡大する可能性が高い。

都内では新たにインフラを整備する機会は少ない。このため、新興国で若手職員が設計から運営、補修まで経験を積ませることができれば「都の水道事業の技術力の向上も期待できる」(水道局)とみている。

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