2018年7月17日(火)

静岡の津波は最大33メートル、死者11万人も 南海トラフ地震想定

2012/8/29付
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 内閣府は29日、南海トラフの巨大地震による最大クラスの被害想定を公表した。静岡県内は最悪の場合で約11万人が死亡し、約32万棟が全壊。最大津波高は下田市の狼煙(のろし)崎付近で33メートル、中部電力浜岡原子力発電所(御前崎市)周辺では19メートルで、県内沿岸に数分で到達する恐れがある。県内の自治体や企業は減災に向けた取り組みを急ぐ。

 死者数は冬の深夜に発生したことを想定した場合で、9割近くが津波で死亡。最大震度は静岡市や浜松市など県中部から西部地域が震度7で、東部や伊豆半島は6強~6弱だった。

 最大津波高は3月末の発表では下田市が25.3メートルだったが、より詳細に推計した今回は33メートルに上昇。ただ、33メートルは狼煙崎付近の津波高で、下田港内は12~15メートル。浜松市南区で16メートル、静岡市駿河区で13メートルとなった。

 19メートルの津波が襲う可能性がある浜岡原発で、中部電は海抜18メートルの防波壁を建設している。県の川勝平太知事は29日、「防波壁は15メートルの津波を想定して建設されているが、19メートルはそれをはるかに上回る。防波壁は(高さなどを)考え直さなければならない」と中部電に追加対策を求める考えを示した。

 被害想定が示されたことを受け、各自治体は被害抑制に向けた対策を進める。

 東日本大震災前から津波避難ビルを約2倍に増やした静岡市は、ビルの強度などが新想定で問題がないか見直すほか、浸水マップを新たに作る。中日本高速道路と連携し、駿河区内の東名高速道路約7キロにわたり、東名上に避難できる道の整備は7月に完了。自主防災組織に避難場所の確認を呼びかける。

 最大浸水面積が44平方キロメートルと県内で最も広かった浜松市。県の従来想定から約5倍に増加した。市は3月に想定浸水地域を独自に定めており、「今回の発表と大きな差はなかった」という。独自想定では、浸水域で避難が必要な住民が十数万人に上る。市は避難場所の確保を急ぐ方針。

 下田市は今年度、自主防災組織に高台への避難路整備費用の一部を補助。市庁舎を2019年度までに高台に移すことを決めているが、「今回の想定で移転計画の前倒し議論が出る可能性もある」(市民課)という。

 掛川市は来年2月までに沿岸部に最大津波高(14メートル)よりも高い15メートルの津波避難タワーを2カ所設置する。完成後は防災訓練で地域住民に活用してもらうという。民間の津波避難施設がない地域を中心に、さらに3カ所程度タワーを建設することを検討するという。

 静岡県は来年6月、巨大地震に加え、100年程度の周期で発生が見込まれる地震にも対応した県としての被害想定をまとめる予定だったが、川勝知事は29日、来年2月ごろまでに前倒しでまとめる考えを明らかにした。

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