/

なでしこ佐々木監督「次への準備を第一に」

記者会見場に現れた佐々木監督はいかにもバツが悪そうだった。勝てなかったからではない。勝ちにいかなかったからだ。その理由も驚くほど懇切丁寧に説明した。

南アフリカと引き分けた後、選手に話をする佐々木監督=共同

「次への準備を第一に考えた。ここのピッチでできる。グラスゴーだと移動で丸1日かかってしまう」。F組で1位になると3日後の準々決勝はカーディフから最も遠いグラスゴー。2位通過なら次もカーディフで、移動なく備えることができる。試合前の順位はスウェーデンに次いでF組2位。できることなら1位になりたくなかった。

先発メンバーを7人入れ替えたうえ、選手はこう送り出した。「普通にやっていい。ただ、(同時進行の)スウェーデン対カナダの状況次第ではドローで終わらせることを考える」。久々に出場機会を得た選手たちがアクセル全開でいけないのも無理はない。90分間で枠に飛んだシュートは3本だけだった。

58分に交代で送り出した川澄にはこんなことを言ったという。「君には申し訳ないが、カットインの素晴らしいシュートはやめてくれ」。スウェーデン戦同点の情報が入った終盤はボールを回して終わらせるよう、明確に指示を出している。

「2位狙い」が騒がれ出したのは初戦に勝った後。1位通過だと最近敗れている米国かフランスと当たるからだろうと詮索されたが、監督は「相手はどこでもいい」と否定した。それでも「選手にはつらい思いをさせたが、理解してくれた」と渋面なのは後ろめたさがある証拠。

自分たちを頂点まで引き上げてくれた監督との絆がこれだけで崩れることはないだろう。「確かに移動は負担。自分は割り切っている」(岩清水)、「メダルを取るためにはどんな手も尽くさないと。監督は絶対」(丸山)。

ただ、気遣うべきは選手だけか。外国メディアから質問が飛んだ。「引き分け狙いなら、ファンは何のためにスタジアムに来たのか」。監督の答えは「次の試合で選手にスペクタクルなパフォーマンスを出させてお返しすることに尽きる」。重い十字架を背負った。(山口大介)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連企業・業界

企業:

関連キーワード

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン