2018年11月13日(火)

ソニー株、32年ぶり安値 市場「経営戦略なお曖昧」

2012/7/17付
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17日の東京株式市場でソニー株が一時前週末比4%安の961円まで下げ、株式分割を考慮したベースで1980年6月以来約32年ぶりの安値に落ち込んだ。ソニーは赤字のテレビ事業の立て直しや成長戦略を4月に打ち出したが、何度も肩すかしをくらってきた投資家からの信頼回復には至っていない。「市場との対話」が消えた状況だ。

ソニー株は7日続落し、6月4日に付けた直近の年初来安値(990円)を大きく割り込んだ。要因の1つは円高・ユーロ安に伴う業績の未達懸念だが、それ以上に市場関係者が指摘するのが「経営戦略と具体的な施策がまだ曖昧」(ドイツ証券の中根康夫シニアアナリスト)という点だ。

4月の経営方針説明会では平井一夫社長が約40ページもの資料を示し「必ず変革させ再建させる」と強調。デジタルカメラや携帯機器、ゲームなどを成長事業と位置付け、赤字が続くテレビ事業は2014年3月期に黒字化すると表明した。だがある機関投資家は「黒字にするとは何年も言い続けてきたこと。簡単には信頼できない」と突き放す。

今期計画では携帯型ゲームの販売台数を前期比86%増、スマートフォン(高機能携帯電話)を48%増とするが「高い目標をどう達成するのかの道筋が見えない」(国内証券アナリスト)。このため、かえって「販売台数が下振れた場合の業績への影響が大きい」(ゴールドマン・サックス証券の渡辺崇アナリスト)との警戒感を誘っている。

対照的なのがパナソニック。直近は下落基調ながら、年初来安値は9%上回る。津賀一宏社長が6月下旬の就任直後に開いた会見で用意した資料は数ページだけだが、白物家電の販売拡大などを伴っていることもあり「復活の可能性を大きく感じた」(外資系証券アナリスト)との声がある。5月には丸1日かけて投資家向けに事業説明会を開くなど「市場との対話」に力を入れている。

ソニーもテレビの機種数削減やカメラ向けセンサーの増産などの手を打ちだしてはいる。こうした取り組みの前進など、再生への具体的な道筋を示すことが不可欠だ。

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