JR東海、「スマート新幹線」N700Aの実地試験へ

2012/7/14付
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東海旅客鉄道(JR東海)が東海道新幹線の新型車両「N700A」を投入する準備を進めている。来月に車両を受け入れて実地試験に入り、2013年2月の営業運転に備える。勾配など前方の線路の条件を予測。各区間ごとの制限速度にぴったりあわせて自動走行する装置を新幹線で初めて備え、賢く走る「スマート新幹線」だ。最高速度は変わらないが、異常検知システムなども加えて信頼性を一層高めた。

N700Aの「A」はADVANCE(アドバンス)の略。12年度末に6編成、13年度に7編成を投入する。総投資額は660億円。日本車両製造などが生産を請け負い、8月に第1編成(16両)がJR東海の浜松工場(浜松市)に搬入され、車両のつなぎ合わせや機器のチェック、線路での試運転などに入る。

新たな機能として(1)定速走行装置(2)新型ブレーキ(3)台車異常検知システムの3点を既存のN700系車両に加えた。

定速走行装置は区間ごとの制限最高速度にあわせて自動で新幹線を走らせるシステム。前を走る列車との間隔や地形によって自動列車制御装置(ATC)が決めた制限速度に従い、前方の線路の勾配やカーブなどのデータを受けて必要な加速の度合いを予測。異なる線路条件であっても自動的に速度を調整し、制限内の最高速を維持する。

従来は運転士が運転台のモニターに出る制限速度に従って調整し、カーブや地形の影響を予測しながら指示通りの速度を保つのは難しかった。定速走行装置は遅れが生じた場合に運転台のボタンで作動させ、ダイヤ通りの運行を早期に回復することができる。

新型車両「N700A」のベースとなる現在の主力車両「N700系」

新型車両「N700A」のベースとなる現在の主力車両「N700系」

また、ブレーキは車輪を両側から挟んで停止させるドーナツ型の金属製円盤「ブレーキディスク」で、ディスクと車輪をつなぐボルトの位置を変更。車輪をはさむ圧力を均一にすることで、強くブレーキをかけることが可能になった。非常ブレーキから停車までの距離は1~2割短縮。地震などの緊急時により早く列車を止めて被害を最小限にとどめる。

異常検知システムは不自然な振動を感知して運転台に知らせる。車軸やモーターなどがある車両下の台車に、部品の振動を感知するセンサーを付けた。これまでは車軸付近で温度を測り、部品が高温に達したのを感知し故障を知らせていた。

振動から異常を判断することで、温度が上がる前に早期に故障を見つけられる。愛知県小牧市の研究施設で実物車両を使った走行試験を重ね、故障時の振動と走行時の正常な振動を区別できるようにした。

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