2019年1月22日(火)

米国の味「憧れ」大切に A&W、県内専念 25店根付く
沖縄復帰40年 時代と歩んだ会社(3)

2012/5/10付
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そのファストフード店に車で乗り付けると、屋根付き駐車場にたどり着く。それぞれの駐車スペースに備えられたインターホンで注文すれば、店員が食事をとどけてくれ、そのまま車内で楽しむこともできる。

主な客層は米兵から地元客・観光客に移ったが、「ドライブイン」形式のサービスは変わらない(現在の牧港店=浦添市)

開業当初の屋宜原店(北中城村)

英語の発音をまねて「エンダー」と呼ばれる米国生まれのA&W。沖縄県には1963年に上陸、今では県内に25店を展開する。古いアメリカ映画に登場するような「ドライブイン」形式のサービスが売り物だ。

代表メニューは創業者ロイ・アレンが1919年に発売した「ルートビア」。薬草やハーブが入ったノンアルコールの炭酸飲料で、コーラに似た色合いと独特の刺激の強い香りが特徴。大きなハンバーガーやカールしたフライドポテト「カーリーフライ」も米国風だ。

1号店の屋宜原店(沖縄県北中城村)は、郊外の幹線道路沿いに立地、客の大半は自家用車を所有していた近隣の基地の米兵らだった。当時はマクドナルド(71年開業)や、ダイエーグループの「ドムドム」(70年開業)もない時代。A&Wは「日本初のファストフードレストラン」とされる。

この1号店の建設を請け負ったのが、現在のエイアンドダブリュ沖縄(沖縄県浦添市)の平良幸雄会長だ。これをきっかけに共同経営者として迎えられ、米国人パートナーの帰国にあたり、経営権を引き継いだ。

本土復帰の翌年、A&W沖縄を設立すると出店を加速、80年代には鹿児島県への出店も手掛けた。

ただ、マクドナルドをはじめとする大手ファストフードチェーンの出店攻勢で競争が激化。A&W沖縄はすでにアメリカ風のファストフードとしてブランドを確立していた県内での展開に専念する道を選んだ。

本土では、米A&Wとライセンス契約を交わした大手企業が、何度もチェーン展開に挑戦したが失敗。沖縄での成功の理由を、平良健一社長は「憧れの場所としてのブランド」と、「アメリカの味を大事にした商品展開」と分析する。

「アメリカらしさを押し出し、イメージアップにつなげたい」(平良社長)と昨年末から、ニューヨークのピザや米南部のケイジャン料理をイメージしたハンバーガーを期間限定で相次ぎ投入、7月にも新メニューを計画する。平良社長は「常に挑戦する若々しい企業でありたい」と話す。

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