住宅取得資金、資金援助の非課税枠は? 「優良」なら最高1610万円 税理士・柴原一氏

2012/5/18 7:00
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 今年、親から資金援助を受けて住宅を購入する予定です。昨年は1000万円までの贈与なら非課税でしたが、2012年度の税制改正で変わった点はありますか。(東京都、男性、38歳)

子どもや孫が自分の両親や祖父母(直系尊属)から住宅取得資金の贈与を受けたとき、一定の金額まで贈与税がかからない制度が設けられています。若い世代に資産を移して住宅需要を刺激するのが狙いです。今年から新たに3年間延長されることが決まりました。

昨年の非課税枠は1000万円でしたが、今年から省エネ性能や耐震性能の高い優良住宅については、500万円上乗せして1500万円となりました。ただ、段階的に縮小し、13年は1200万円、14年は1000万円が上限です。今年中に優良住宅を購入するなら、贈与税の基礎控除額(年110万円)と合わせた1610万円まで税金がかかりません。

一方、省エネや耐震基準を満たさない一般の住宅を購入する場合、非課税枠は今年が昨年同様1000万円で、13年は700万円、14年が500万円と次第に減ります。なお、東日本大震災で住宅を失った被災者が優良住宅を取得するケースは1500万円、通常の住宅なら1000万円です。いずれも14年までの3年間、非課税枠は変わりません。

ただ、この制度の適用を受けるにはいくつか条件があります。まず、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること。所得が2000万円以下であり、翌年3月15日までに新たに取得した住宅に居住することも条件です。

対象となる住宅は、新築または建築後20年以内(鉄筋コンクリートのマンションなど耐火建築物は25年以内)と決められています。床面積は50~240平方メートルなので、コンパクトタイプのマンションの購入を検討しているなら、床面積を登記簿などでしっかりチェックしましょう。

非課税措置の延長を含む税制改正が施行されたのは4月1日ですが、1月1日に遡って適用され、期限は14年12月31日までです。1月から3月末までに住宅を購入した人も適用されます。確定申告は贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に必ず済ませてください。

柴原一(しばはら・はじめ) 1957年三重県生まれ。81年東京経済大学経済学部卒業。86年11月税理士登録。87年10月柴原一税理士事務所開設。税理士、行政書士、宅地建物取引主任者、CFP、一級FP技能士として幅広く活動するほか、日本税務会計学会常任委員、東京税理士会会員相談室相談員、千葉商科大学大学院会計ファイナンス研究科客員教授などを務める。FP関連の著書多数。

[日本経済新聞朝刊2012年5月9日付]

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