2019年1月17日(木)

中国ネット通販、値下げ競争過熱
楽天は1年半で撤退

2012/4/30付
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ネット通販大手は街中に広告を出して集客を競う(シェア6位の凡客誠品が重慶市に出した広告)

ネット通販大手は街中に広告を出して集客を競う(シェア6位の凡客誠品が重慶市に出した広告)

【重慶=多部田俊輔】中国でインターネット通販会社による値下げ合戦が過熱している。シェア2位の京東商城と5位の当当網による、なりふり構わぬ値下げ合戦が業界全体に波及。激しさを増す競争のあおりを受けた楽天は進出からわずか1年半で撤退に追い込まれた。資金力まかせともいわれる「仁義なき戦い」はどこへ向かうのか。

「京東商城は1元(約13円)稼ぐのに4元を使い、8月に資金が底をつく」(当当網の李国慶・最高経営責任者=CEO)

「銀行に60億元以上の現金がある。1000万元を賭けてもいい」(京東商城の劉強東CEO)

■中傷合戦を展開

中国のネット通販業界で前代未聞の中傷合戦が繰り広げられている。当当網は書籍通販からスタートした業界5位。2位の京東商城が得意とする家電分野への食い込みを狙っている。最高で1700元の値引きを「公約」し、サムスン電子の薄型テレビの価格を6588元から5288元まで引き下げた。

京東商城への包囲網を敷くため、家電量販大手の国美電器とも提携。5000万元を投じ家電を中心とした半額キャンペーンを実施。国美電器傘下で8位の庫巴もすべての商品を10%値引きする販促を打った。

京東商城は「いつでも最安値」と銘打って対抗する。家電量販大手、蘇寧電器傘下で3位の蘇寧易購も「どこよりも安くする」と発表。電子商取引最大手、アリババ集団傘下の天猫も1000万元を投じてパソコンの値下げに踏み切った。

■3年で20倍規模

ネット調査会社の易観国際によると、2009年1~3月期で35億元だったネット通販市場は11年10~12月期に764億元。3年間で20倍以上に急成長した。楽天のほか、米アマゾン・ドット・コム、米ニューエッグが参入し、今年には米ウォルマート・ストアーズが10位の「1号店」に51%出資した。

しかし、激しさを増す値下げ競争は、比較的規模の小さい企業では太刀打ちできない状況をつくりつつある。

ネット通販で成功するには、注文を受けて即座に商品を全国の物流網に乗せる必要がある。だが、広大な中国でこれを実現するには各地に巨大な物流センターを整備しなくてはならない。こうした投資と、値下げに伴う利益の圧縮は大手にとっても大きな負担となる。

ある幹部は「生き残りのため、巨大な大手企業の傘下に入るか、同業同士との合併に踏み切るかの選択を迫られている」と打ち明けた。

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