ドロップシッピング詐欺被害、数百人7億円か
ホームページ企画会社「サイト」(東京・台東)によるドロップシッピング(DS)を巡る詐欺事件で、逮捕された同社の実質的経営者、吉田実(本名・権成謙)容疑者(41)らが、契約金名目で数百人から計約7億円を集めていたとみられることが3日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁生活経済課は同日、吉田容疑者のほかにサイト社社長の渡辺秀之容疑者(40)ら6人を詐欺容疑で逮捕したと発表した。同課によると、7人はいずれも容疑を否認している。同課は、インターネット検索で会社への苦情が見つかりにくいよう、意図的にありふれた単語を会社名に使い、多額の契約金を集めていたとみて、契約の実態や資金の流れを調べる。
捜査関係者によると、吉田容疑者らは2007年ごろからサイト社や複数の関係会社を設立。「サイト」「トップ」「ナビ」などのありふれた単語を社名に使い、ネット検索しても多数の検索結果に埋もれて苦情やトラブルが見つかりにくいようにしていたという。
同課によると、サイト社は08年以降、全国の400人余りから総額4億1千万円を詐取し、関係会社も含めると数百人から計7億円を集めていたとみられ、同課は裏付けを進める。
逮捕容疑は09年2~8月、神奈川県伊勢原市の自営業男性(55)ら5人に「2カ月くらいで元が取れる」などと嘘の説明をし、DSの契約金計約940万円をだまし取った疑い。
同課によると、DSの契約者は85万~300万円の契約金を支払い、家電などの販売サイトを開設。商品はサイト社側から購入者に発送すると説明されていたが、同社側は「在庫がない」などとしてほとんど発送していなかったという。
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