楽天、11年12月期は経常益最高に 10%増の688億円

2012/2/13付
保存
共有
印刷
その他

楽天が顧客の利用実績に応じて配布するポイントをテコに、業績を伸ばしている。13日に発表した2011年12月期連結決算は、経常利益が前の期比10%増の688億円と過去最高を更新。主力の仮想商店街「楽天市場」の顧客が旅行、金融など複数の事業を利用する好循環が生まれつつある。成長の持続には、海外での知名度向上や配送網の強化が課題となりそうだ。

前期の最終損益は11億円の赤字(前の期は349億円の黒字)。05年に買収した旧楽天KC(現・KCカード)のうち、消費者金融事業を分離し売却した影響で特別損失を計上したのが主因。

昨年末時点の総会員数は約7500万人。仮想商店街だけでなく複数のサービスを利用した会員の割合は47%と、5年間で13ポイント上昇した。昨年は仮想商店街の取扱高が初めて1兆円を突破。買い物で得たポイントを、旅行など他のサービスで使う顧客が増えている。

売上高は3799億円と10%増加。営業利益も713億円と12%増え、最高だった。東日本大震災後、日用品をネット通販で購入する傾向が強まった。スマートフォン(高機能携帯電話)の普及で外出先からの購入も急増し、仮想商店街、楽天市場事業の営業利益は553億円と23%増えた。

相乗効果で楽天トラベルの営業利益も107億円と11%増加。さらに楽天銀行は58億円と2倍に増え、楽天カードも6.6倍の43億円となった。

「金融関連では特にシナジー効果が大きかった」(三木谷浩史社長)。楽天カードは利用金額に応じてポイントが付与され、仮想商店街などで使える。このため、主婦などが日用品の買い物などにも楽天カードを使うようになった。キャッシングの枠は相対的に厳しく設定し、不良債権化を防ぐため回収も強化している。前期末の債権残高に占める正常先以外の未収債権比率は5.7%と、9月末に比べ約1ポイント改善したという。

欧州の債務問題の影響で楽天証券の営業利益は46億円と2割減少。テコ入れのため昨年9月から傘下の銀行と証券の口座を連携させるようにして、証券取引の量に応じてポイントを付与するサービスも強化した。

成長を加速するには海外で顧客を増やす必要がある。ネット小売り世界最大手の米アマゾン・ドット・コムは世界で楽天市場の4倍近い流通量を持つ。配送を巡るトラブルの少ない日本品質のサービスを提供するため物流網の整備も課題だ。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]